こんなに違った「長生き」長野県民と「短命」秋田県民

これが健康格差の現実…
週刊現代 プロフィール

がんは遺伝より生活習慣

厚労省が行った「国民健康・栄養調査2012」によると、秋田県の男性の一日当たりの食塩摂取量は12.3gで、全国平均11.3gを大きく上回る。秋田県のがんによる死亡率が全国で一番高いのは、塩分の摂りすぎが原因だと指摘される。

「'16年から、がん患者について診断、治療に関する情報を収集し、保管する『がん登録』が義務化されました。それにより秋田県では特に胃がんが多く、罹患率は、もっとも低い沖縄県の3倍以上にも当たることが分かったのです。胃がんの発症リスクを高めるのが『食塩』です」

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こう語るのは、国立がん研究センター・がん対策情報センター室長の松田智大氏だ。

「がんは遺伝的要因によるものはほとんどなく、生活習慣によって罹患する割合が高い。男性のがんの6割が後天的な要因であるとされています」(松田氏)

食塩の過剰摂取は胃がんだけでなく、多くの生活習慣病に深く関与している。中でも影響が大きいのが血圧だ。塩分を摂りすぎると、高血圧が進行し、果ては脳梗塞などの脳血管障害を起こす。

事実、前述のとおり秋田県では脳血管疾患での死亡率も全国ワースト1位となっている。

 

実は長野県も食塩の摂取量が全国平均を超えており、がんになる患者は少なくない。しかし、がんによる死亡率は低い。

その理由について、前出の松田氏が解説する。

「がんで亡くなるかどうかは、早期発見のためのがん検診の受診率、医療機関へのアクセスの良さ、病院の数や医療体制の充実度などさまざまな要因が絡んできます。

日本一長寿の長野県は、県民の健康意識が高く、がん発見から治療までの良好なネットワークがあると考えられます」

「平成25年国民生活基礎調査における長野県のがん検診受診状況」によると、長野県の胃がん検診の受診率は全国8位と高い。健康に対する意識の差も「健康格差」を生んでいるのだろう。

東京大学大学院医学系研究科・公共健康医学専攻准教授の近藤尚己氏が語る。

「人のつながりというのは、健康に影響を与えます。論文によっては、喫煙に匹敵する影響があるとも言われています。貧困というのは単におカネがないことではなくて、おカネがないことで社会から隔絶されていくことが問題なんです」

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