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クリスマスはいつから「恋人たちのもの」になったのか

年に一度の「無意味に浮かれてもいい日」
堀井 憲一郎 プロフィール

―「キリスト教徒でもないのにクリスマスで浮かれるなんて」という声は昔からありますが、本書において、堀井さんは歴史を振り返ったうえで「(そんな声は)にっこり微笑んで、圧倒的に無視すればいい」と結論づけています。

キリスト教徒は目をむいて怒るかもしれませんが、「八百万の神」を信じてきた日本人は、無意識的に、イエスも「たくさんいる神のひとり」として捉えている。

戦国時代にはザビエルらイエズス会士は、「野蛮な日本人全員をキリスト教徒化する」という独善的な信念をもって乗り込んできましたが、この国はつねにそういうキリスト教国からの強い圧力にさらされ続けてきた。

 

そこで、日本人は自分たちの文化やシステムを守るため、キリスト教の行事のなかで一番とり入れやすかったクリスマスを「表面的に」受け入れて欧米にいい顔を見せることで、のらりくらりと生き延びてきた。だからこそ、クリスマスには大いにはしゃいできたのだと思います。

「日本人だって、いや、日本人だからこそクリスマスには無意味に浮かれてもいいんだ」というのが、僕がこの本を書く過程で出した答えなのです。

(取材・文/阿部崇)

『週刊現代』2017年12月2日号より