炎上弁護士、「死ね」と言ってきた少年たちに会いに行く

どうして僕のことが嫌いなんですか?
唐澤 貴洋 プロフィール

炎上行為をする人の属性

これまで、私を被害者とした刑事事件で10人以上が立件されている。そこで把握した加害者の属性や個人的に把握した殺害予告犯等業務妨害行為者複数名の属性は次のようなものだ。一番多いのは10代の学生、次いで20代の学生及び無職、そして、30代の無職。全員男性であった。

私はその中の何人かと実際に会った。親がいる者は、親も一緒に会う機会を持った。加害者は皆コミュニケーション能力が低く、周りに彼らのことを理解している人が少ない環境にあり、孤独な人が多かった。

違法な投稿をした理由も、インターネットで反応があるのが面白かった、没入感を味わいたかったという理由であり、私に対して個人的に恨みを持って炎上行為に加担している者はいなかった。

そして、罪悪感を持って行為に及んでいた者はおらず、刑事事件になるという認識も持っていなかった。また、炎上行為に参加している者は、皆私と何ら関係がない人だった。

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ネット加害者の親は、子供がインターネット上で何をしているのか知らず、また、そもそも私からの問い合わせを受けたり、刑事事件にならなければ、そのようなことに関心すらない感じであった。

すべての炎上事例が、私関連の加害者属性と同じというわけではない。女性の炎上事例では、男性加害者よりも、女性加害者のほうが、私が弁護士として関わる中では多かった。

インターネットでは、ネットウォッチ板という掲示板が存在する。インターネット上で起こっている事象を観察し、その事象について意見を投稿する掲示板である。

観察対象の中には、個人ブログやSNSがある。そこで、女性がブログ主だったりすると、掲示板上では、その女性に対して性的な蔑称を投げかけたり、人格を否定するような投稿がなされることがあった。

また、個人ブログやSNSで写真など投稿すれば、それをもとに、自宅特定など個人のプライバシー侵害行為が行われている。

 

炎上は社会問題だ

炎上は、少人数でも実現可能だ。私の件に限って言えば、コアな人物が逮捕されたり、刑事的に立件されたりすると、ある程度は収まることが多い。

これが意味するのは、加害行為に及んでいる者の数は案外少ないということだ。統計的な研究は、田中辰雄氏と山口真一氏の共著『ネット炎上の研究』(勁草書房)に詳しい。

同書の中では、個別事件に関して書き込む人は、ごく一握りであることが示されている。この結論は、私が実務において感じていたことと一致する。

今回は、私に起こったネット炎上現象について説明し、私見を述べた。ネット炎上という現象が社会問題として認識され、今後の対応策を考える一助になれば幸いである。