炎上弁護士が実名告白「私に殺害予告が来るまで」

男はオフィスに突然やってきた
唐澤 貴洋 プロフィール

行動パターンが同じだと狙われやすいと考え、毎日、歩く道を変えた。後ろに人がいないか、常に気にするようになった。不審だと思う人物がいれば、目視し行動を確認した上で、先に行かせた。また、エレベーターでは、不審だと思った人物とは一緒に乗らないようにした。

殺害予告については、警察に相談をさせていただいた。警察には、その後10件以上も立件をしていただき、助けられた。だが、当時はまだインターネット上の投稿が犯罪になるという認識が薄かったと思う。

IPアドレスとは何か、どうすればインターネット上の犯人を特定できるのかを警察署で一生懸命伝えた。

殺害予告を受け始めて1年半がたった2014年5月、ようやく一人の逮捕者が出た。20歳の派遣社員の男性Bだ。彼とは、現実でもインターネット上でも一切関わったことがない。

なぜ、Bは何ら関係のない人間に対して殺害予告をしたのか。逮捕時の様子は報道され、Bの顔を見ることができたが、幼く寂しそうな眼をしていた。Bには、更生し、平和な生活を送ってほしいと強く願っている。

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犯人はこう特定する

殺害予告犯Bが逮捕されてから、少しの間は殺害予告が収まった。しかし、ネット加害者は、次なる罪を犯した。爆破予告である。爆破予告は、私の事務所を爆破するというものから、私の名前を騙り(いわゆる「成りすまし」)、地方自治体等に爆破予告するというものまであった。

爆破予告も、連日続いた。爆破予告されたある日、事務所に行くと、事務所の入った建物の前に、東京キー局のテレビカメラのクルーがいた。犯行予告時刻に、私の事務所が爆破されないかを撮影するために来たとのことだった。

 

もし、本当に私の事務所が爆破されたとしたら、その爆風で影響を受けるであろう場所に、無防備にテレビカメラが設置されていた。

自ら死地に行く者はいない。つまり、彼らはニュースのネタとして素材を取りに来ていたのだ。その意図を感じた私は、テレビ局に抗議の電話を入れたが、犯行予告時刻を過ぎるまでテレビカメラが取り除かれることはなかった。

爆破予告犯の一人に青年Cがいた。彼を意識したのは、当初は殺害予告犯としてだった。

殺害予告犯Bが逮捕されて殺害予告が減っている中で、再び殺害予告がなされたので、私は犯人を特定すべく、動き出していた。