株高の今だからこそ手を出してはいけない、ある「金融商品」

金融庁も太鼓判! それでも…
荻原 博子 プロフィール

ちなみに、金融庁のホームページを見ても、「貯蓄」とは「将来のためにお金を蓄えておくこと」で「安全に」、「確実に」という意味合いが強く、「投資」とは「期待するもの」であって、「確実なもの」ではないと書いてあります。

[図]金融庁HPにある「貯蓄」と「投資」の説明金融庁HPにある「貯蓄」と「投資」の説明
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だとすれば、パンフレットにある「車の買い替えや家のリフォームをしたいね」とか「子どもの将来のために教育費も貯めないと」ということは、「投資」ではなく「貯蓄」でするべきでしょう。

(3)値下がりしたら余計な税金を引かれる可能性も

「NISA」を利用して儲けが出れば確かに非課税です。しかし、何度も繰り返してきたように投資ですから、儲かるとは限りません。

実は、値下がりしたら余計な税金を取られる可能性があります

 

例えば、100万円で買った株が150万円になれば、約10万円(50万円×20%)の税金が、非課税なので払わなくてもよくなります。

けれど、100万円の株が50万円になってしまったらどうでしょう。

一般的な「NISA」でも「積立NISA」でも、口座に入れておくのには期限があります。その期限が来たらNISA口座から出さなくてはなりません。しかも、ここがポイントで出す時に、「NISA」は、出した価格が取得価格ということになるのです。

たとえ100万円で買った株でも出す時に50万円だったら、取得価格は50万円ということになります。

そこで売却すれば税金はかかりませんが、半額で売るのでは残念で思い切りがつかないので一般の証券口座に移すという人も多いと思います。

そして、その後しばらくしてようやく買った時の価格の100万円に戻ったので売ったとしたら、そこで約10万円の税金を払わなくてはなりません。

なぜ100万円で買ったものを100万円で売って儲けがゼロなのに約10万円の税金がかかってくるかといえば、「取得価格が50万円」ということになってしまっているからです。

以上、3つのリスクについて見てきましたが、実は、個人的にはもう一つ、大きなリスクがあると思っています。それは、金融庁が積極的にこの制度を推し進めているということです。

ます、「積立NISA」として売れる投資商品は、金融庁が一定の基準を設けています。ですから、販売する業者によっては「金融庁のお墨付き」のある金融商品というかたちで「リスクが少なく初心者向け」というような売り方をするでしょう。

ただ、金融庁が商品選択に関与しているからといって、損をしないわけではありません。また、手数料が安いものを揃えているからと言って、儲かるというわけでもありません。さらに、長期の投資だからと言って、投資である以上確実性があるわけではありません。

しかも、危惧するのは、金融庁という、金融機関に対して規制や監督をすべき行政機関が、監督どころか、金融機関顔負けの誘う文句のパンフレットをつくって、少しでも多くの人を投資に誘導しようとしていること。

もちろん、ここで書いた3つのリスクについては、金融庁のパンフレットには書かれていません。

外国人買いに浮かれている株式相場ですが、いつ崩れるかわからないギャンブル相場でもあります。そんな中で、あなたは、なけなしの虎の子を投資しようと思いますか?

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