株高の今だからこそ手を出してはいけない、ある「金融商品」

金融庁も太鼓判! それでも…
荻原 博子 プロフィール

日本証券業協会のホームページを見ると、「貯蓄」とは将来のために確実にお金を蓄えるもので、「投資」とは確実ではないけれど利益を期待するものだとあります。

実は、「積立NISA」の最も見落としがちな点は、「投資」という一見堅実に見える言葉で、リスクを覆ってしまうところにあるのです。

 

「積立NISA」は投資商品ですから、当然ながらリスクもあります。そのリスクは、具体的には以下の3つがあります。

(1)「ドル・コスト平均法」そのもののリスク

(2)子どもの教育費を、投資商品で貯めるというリスク

(3)儲かれば非課税だが、値下がりしたら余計な税金を引かれるリスク

そこで、それぞれのリスクを詳しく見いきましょう。

(1)「ドル・コスト平均法」そのもののリスク

投資の原則は、安い時に買って高く売ること。それができてはじめて儲かります(空売りの場合は高いときに売って安くなったら買い戻すと儲かりますが、今回は触れません)。けれど、「積立NISA」では、安かろうが高かろうが毎月決まった日に投資商品を買うことになります。

実は、「安かろうが高かろうが毎月決まった日に投資商品を買う」という方法は、「ドル・コスト平均法」という投資手法で、上がっても下がっても同額を買い続けるので価格が平準化されると言います。

けれど、これは本当でしょうか。

下記は、金融庁のホームページでの、「ドル・コスト平均法」の説明に使われている図です。ここでは、価格が下がっても上がっても書い続けるので、1年間で1万5615円の利益が出ると説明しています。

[図]ドル・コスト平均法の説明図(金融庁HPより)ドル・コスト平均法の説明図(金融庁HPより)
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投資商品の最も合理的な買い方は、高かったら買わない、安ければ買うという方法。下がっている1月から9月までは買って、10月、11月、12月という高くなる期間は買わないほうが、投資としては儲かることは誰にでもわかるでしょう。

毎月1万円の投資資金があるなら、何も毎月同じ日に高くても安くても買って投資コストを上げなくても、安い時だけ買えばいいではないでしょうか。

つまり、投資商品の買い方としては、合理的ではないということです。

ただし、販売する金融機関の側にとっては、機械的に毎月一定額を買ってもらえれば、決まった手数料がリスクなく入ってきますから、とても合理的ということになりますが。

(2)子どもの教育費は投資商品で貯めるものではない

「こどもの将来の教育資金に」と言いますが、投資商品である以上、目減りする可能性もあります。

「積立NISA」は、低コストのインデックス投信で運用されているのでリスクが少ないといいますが、たとえば、約30年前には日経平均は4万円に届きそうでした。その時、日経平均のインデックスファンドを買った人は、現在は約半分の約2万円になっています。

低コストのインデックス投信を長期運用すればリスクが小さいとは、必ずしも言い切れないのです。

まして、教育資金というのは、必要になる時期が決まっています。その時に、株価などが大きく落ち込んでいたら教育費が不足してしまいます。

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