ようやくわかった。アベノミクスとは「社会主義化」のことだった

「官営」株価バブルが進む中で見えたこと
宿輪 純一 プロフィール

以前の自民党のイメージは、経営者の利害の代弁者で、労働者の賃金の上昇を抑える側であった。一方、それに対し、社会主義的な政党がメーデーなどを主催し、春闘でも賃上げを要求していた。

いまは逆に、保守を標榜する政権が、春闘の賃上げの後押しを行っているのである。また、社会主義では「労働に応じた分配」という平等が実現されている社会を目指す。これも「働き方改革」に通じるものがある。

マクロ経済学的に考えても景気浮揚効果が期待できる。日本が伝統的に使ってきたインフラへの公共投資は、現在、労働力が不足しているために、効き目が薄くなっている。むしろ、日本の経済成長の6割を占める家計の収入が増えることを起点にした方が、効き目があると判断できる。

 

財政再建に逆行する大きな政府

安倍政権は発足当初、消費税引き上げによる財政再建を政策に挙げていた。しかし、最近、財政赤字の改善に使う予算を、気前よく幼稚園等の無償化や大学教育の支援など、社会的に手厚い支援を推進することに回してしまった。終戦直後、かつての英国労働党が打ち出した「ゆりかごから墓場まで」といった政策に近くなってきている。

米国との比較では、安倍政権は、トランプ政権や、歴代の共和党政権のような位置付けで小さな政府を目指すものと考えていた。が、まったく逆で米国の民主党の様に大きな政府を目指しているようである。

もっとも、その政策を行うには、政府の借金が持続可能か問題になってくる。ちなみに、現在、金融庁が「金融行政方針」を発表し、すべての地方銀行が生き残ることはないとして、金融機関に「持続可能性」による選別を求めている。しかし、そう言っている政府自身の持続可能性はどうなのであろうか。

経済学者マルクスが言っていたのは私有財産制をとると資本が集中したところに独占が生じてしまうので、私有財産制と利潤の追求をやめ、個人や企業にではなく、国や地方公共団体・協同組合などに生産手段を公有(社会的所有)させることであった。

社会主義経済においては、工場・生産用機械などは全て国が管理し、国全体の経済活動を政府が管理する。国民は全員、国営企業で働き、給料を国が国民に平等に分配することにより、貧富の差、つまり格差を無くしていくものである。

逆にこれだけ社会主義的な経済政策を取れば、左派政党はお株を奪われた形になり、弱体化するのも分かる。今後も、アベノミクスはより社会主義的な政策を進めるのであろうか。