ADHDの息子の進学希望を叶えてあげたい…母親のある決断

漫画家母の奮闘記【最終回】
かなしろにゃんこ。 プロフィール

こうした努力のおかげなのか、激しい親子バトルが起こっても、その30分後にはネットの面白ニュースの話題で笑い合えるような関係でいられました。結局、ケンカになったとしても諦めずに関わり続けるのが大事なのかも。

とくにそう思えたのは、息子の進路選択のときですね。

「マニアックな会話ができる友だちが欲しい!」

日頃の工夫のお陰でしょうか? 中学3年のとき、高校進学に向けてみんなが動きはじめる時期に、息子は志望校について包み隠さず自分の気持ちを伝えてくれました。

普通科の学校には興味がなくて行きたくないこと。
大好きな車の話ができる仲間と集える学校に行きたいこと。
だから体験授業を勝手に申し込んだということ。

そんな彼なりの思いをガンガン話してきました。

息子が「ここに行く!」と決めた学校は、車の整備士になるための「専修高校」というところでした。

「“専修”? “専門”学校とは違うの?」

そう思った人も多いと思います。私も最初、それがどんな学校なのか分かりませんでした。調べてみると私立の学校で、工業高校のようなところでした。カリキュラムは、実習が充実した実技学科と、普通教科の授業が半々といった具合。

息子が、

「夏休みに体験授業を2回受ける!」

と言うので、私も学校見学と説明会に参加してみました。普通の高校と少し違うのは、高等課程3年の上に専門課程が4年間あって、計7年間学ぶことができるというところでした。

私立に7年間か……結構お金がかかりそうだわ――……。我が家は夫も私もフリーランス。収入に変動があるし、私立の学費を払えるほど裕福ではありません。さすがにブルッときました~。

でも、

「マニアックな会話ができる友だちが欲しい!」

という息子の希望を叶えてあげたい気もします。私も、「好きな物が同じ仲間となら、逃げずに苦手な人間関係を学べるんじゃないか……」って希望が見えました。

発達障害がある子の中には、好きなことについては記憶力がよくはたらき、よくいえばプロ並み、悪くいえばマニアックになってしまう人がいますが、まさに息子もその一人。学校の勉強はダメダメでも、車と電車のことはなんだって記憶しているのです。

 

私は、それは特殊な才能だと思っています。何とか才能を伸ばしたり、好きなことにのめり込める職業を選択させてやれたら、息子は生きていくのが楽しいんじゃなか……。そう思ってました。

でも父親(つまり私の夫)は、公立の普通科以外の学校への進学には反対なのです。そこで、

「リュウ太は整備士になって、JAFで働くのが夢みたいよ!」

と、きちんと将来を考えて選択したんだと私が説得して、ようやく専修高校を受験するのを許してもらえました。……いや、“リュウ太がJAF(一般社団法人日本自動車連盟)に就職したい”というのは私が作ったウソですけど(笑)、実際にそうなってくれたらいいな~と思っています。