過去形で「森友問題とは何だったのか?」と問うと訪れる恐ろしい未来

そこに待ち受ける「教育の未来像」
大前 治 プロフィール

森友学園の「特色ある教育」への懸念とは、すでに幼稚園で推進されていた国家主義教育に対するものであろう。これらの検証を待たずに急いで「認可相当」と答申したのは不可解である。

大阪府私学審の答申書。条件を付しながらも小学校設置の認可は相当だと答申している。
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なぜ答申を急いだのか。

大阪府の向井正博教育長は「工期や開校時期からみて早期に審議する必要があった」という(2017年3月1日・大阪府議会)。

しかし、私学審の役割は「開校に間に合うよう審議する」ことではなく「開校させてよいか否かを審議する」ことである。これでは本末転倒でないか。

大阪府の事務職員だけで、こうした強引な流れを作ることはできない。大阪府私学審の梶田会長は、前出のインタビューで次のように反省している。その意味が検証されなければならない。

国でも、都道府県でも、市町村の行政でも、大きな力がどこかから働いて、住民全体の公平・公正な幸せのためにある行政が、ちょっとおかしいよなってことが時々ないわけではない。それをチェックするのが我々だったはず。結果として、十分にやれていたのだろうか。(2017年3月13日放送・NHK「ニュースウオッチ9」より)

 

安倍首相は関与していないのか

私学審の答申から8ヵ月後、2015年9月に急展開があった。首相が森友学園の土地購入を後押ししているというメッセージが読み取れる。

9月3日 安倍首相が近畿財務局の迫田英典理財局長と面会。
9月4日 午前、大阪にある近畿財務局の会議室で、迫田理財局長、森友学園の工事関係者が面談。午後、安倍首相が大阪入り。
同日  国土交通省が森友学園の木造校舎建築事業へ6200万円の補助金交付決定。
9月5日 安倍首相の妻・昭恵氏が森友学園の幼稚園で講演。小学校の名誉校長に就任。

安倍昭恵氏は、9月5日の講演で「籠池園長の熱い思いを聞かせていただいた」と述べた。その後、新設校のホームページで「優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます」と名誉校長としての抱負を述べている。

この時期、籠池氏が新設校を「安倍晋三記念小学校」と名付けて募金集めをしていた。安倍首相は「名前を使われたのは遺憾」(2017年2月24日・衆議院予算委)と答弁したが、本当に無断だったか、真相は不明である。

この答弁で安倍氏は、籠池氏から事前に「名前を使わせてほしい」と何度も要請されて「非常にしつこい」と感じたと述べている。しつこく要請されたということは、連絡を拒絶せず何度も応対したことを意味する。

一般市民なら一瞬で電話を切られて終わりだが、籠池氏は違ったのである。

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