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外国人にも人気の「廃墟」は産業遺産か、心霊スポットか…

その「価値」を分けるもの
岡本 亮輔 プロフィール

北海道の炭鉱遺産では…

廃墟ツーリズムの中でも一つのジャンルとして確立され、高い人気を誇るのが炭鉱とそれにまつわる設備の跡地だ。世界遺産登録された長崎県の軍艦島(端島)が有名だが、北海道と九州を中心に他にも存在する。

北海道三笠市では、炭鉱遺産が三笠ジオパークの中に取り込まれている。ジオパークとは、地域の自然や文化を総体的にとらえ、自然資源・文化資源の保護と観光活用を目指すものだ。日本では現在43がジオパークに認定されており、三笠ジオパークもそのうちの一つである。

三笠市は、北海道で初めて本格的な坑内堀りを行った。中でも幌内炭鉱は早くから機械化が進められ、近代炭鉱の先駆けとなった場所であるが、1989年に閉山となった。

現在、同地は幌内炭鉱自然公園となり、ボランティアによって整備された遊歩道を通って遺構をめぐれるようになっている。

変電所の建物の中には当時の設備が残されており、その横には、炭鉱の守り神である幌内神社がある。かつて同社には榎本武揚が書いた社号額もあった。榎本は石狩炭田の開発にも関わり、その縁で納められたという。

旧幌内炭鉱変電所
幌内神社
 

だが、閉山と共に神社も荒廃し、現在では本殿も取り壊されている。遊歩道を進んでいくと安全灯場・巻揚機・トロッコなどの遺構が現れるが、案内板自体が破損している場所もあり、時と共に荒廃が進んでいることがうかがえる。

安全灯場(旧幌内炭鉱)

三笠ジオパークのウェブサイトでは、他にも旧幾春別炭鉱錦立坑櫓、旧奔別炭鉱立坑櫓、旧幌内炭鉱立坑櫓がモデルコースとして紹介されているが、幾春別以外は私有地で立ち入り禁止のため、離れた場所から眺めるしかない。

旧奔別炭鉱立坑櫓

夕張もかつて炭鉱で栄えた地域である。本格的な石炭博物館があり、模擬坑道を歩いて見学できる。

そして、博物館から車で20分くらいのところにあるのが、旧北炭清水沢火力発電所だ。大正時代に造られた自家発電所である。夕張市のPR動画にも登場する美しい廃墟である。

現在は、地元企業が作業場として使用しており、許可を得れば見学可能だ。しかし、老朽化が激しく、すでに4分の3が解体された。現在はひとまず解体は中止されているが、今後、どのようになるのか分からない。

旧北炭清水沢火力発電所