「絶対的権力者」安倍総理は、なぜ極めて危ういと断言できるのか

加計学園問題をもう一度考える
山下 祐介 プロフィール

問題を曖昧にし、事態はさらに悪化

世の中は、すべてクリーンに清潔に動くものではありません。まして多額の公金が関わる事業には様々な怪しい作動が生じえます。

しかも、みながそこで清廉潔白であったとしても、それぞれには立場があり、考え方のズレや誤解などが重なると、本来あるべきではない形で政策や事業が進むということも、現実にふつうにおきうることです。

まして今回問題になったこの事業は、岩盤規制を取り除くという特区事業です。規制はもちろん理由があってしかれているのですから、それを取り外す際に異論や反論が噴出するのは当然です。出ない方がおかしいと言うべきでしょう。

そしてそれは、規制を外すことで不当に利益を得る人々が現れる可能性があるからであり、またいったん規制を外してしまえばもう一度規制をかけることは非常に難しくなるからです。規制の解除は慎重に判断していかねばなりません。

そこであるべき政治の姿とは、官僚たちの話をきちんと聞きながら、ていねいに現場を歩き、情報を集め総合し、国民の利益となる適切な解を導き出すことでした。その場合、ことによっては規制の存続も解になりえます。

それに反して、あなたやあなたのまわりの方々は特区実現のための規制解除という解を先に決め、そこに強引に持ち込もうとしたように見えます。だから異論が出てきたのではないですか。

そうでなければ、一体なぜこれほどまでこの問題がこじれたのか、わかりません。あなたには行政のトップとしてその真相を解明し、公表する責務があるわけです。

ともかく現段階において、今回の事件は、出てきている情報に全く整合性がありません。誰かが嘘をついているとしか考えられない状況です。

 

あなたやあなたを守る側の方の主張と、例えば元官僚の方の発言とのズレはあまりに大きく、このままでは何が起きてこういう事件になったのか、全く説明がつきません。この事態をあなたは早く解消せねばなりません。

というのもこのままでは、事件の真相がわからないまま、あなたへの疑いは強く深く残されることになるからです。

他方であなたは権力者ですから、あなたが事件をこれ以上解明せず、事実上なかったことにすれば、今度は告発をした真面目な官僚たちの側が、その公正性を否定されることになります。

加計問題がこのまま終わることとは、官僚たちがやっている日々の仕事の正しさを否定し、むしろ彼らに、国民の側に立って権力に逆らえば自分自身の立場も危うくなるぞと、そういう脅しをかけることに他なりません。

こうした前例を作れば、行政は正しい形では動いていきませんよ。それどころか今後、本当に不正な事件がこの国の内部に起きても、おかしな忖度が働いてそれを積極的に覆い隠し、内部告発などは二度と出なくなると思います。

そうすれば、あなた自身にも何が起きているのか分からなようなおかしな事件が、次々とつづいていくことになるはずです。

いやすでに、おかしなことがこのところたくさんつづきましたね。

この問題には最低でもしっかりとした調査のメスを入れなければ、この先さらに何が生じるか、空恐ろしいものがあると言えます。この問題を適切に処理できるかどうか、あなたには非常に重い責任があるのです。

あなたは潔白です。それは信用したいと思います。でも、あなたに問題がないとして、それですむ話ではないのです。むしろ事態はますます複雑で、奇怪で、そして危険だといえます。

いま私は調査のメスを入れるよう言いましたが、これはちょっとした調査で簡単に解明されるものではないかもしれません。この事件が今後、裁判で争われるようになったとしても、真相の解明は簡単ではないように思います。

何が起きてこうなったのか、非常にこじれた事件です。ともかくまずは解明の手がかりをえるまで、特区というやり方を一旦停止しておくのが賢明でしょう。

とはいえ、こうした状況の中で、一つだけ、あなたに確実にできることがあります。

それは加計孝太郎さんのことです。あなたには問題はない。それは確かなのでしょう。でもあなたのお友達の加計孝太郎さんには、やはり問題があるといわざるをえません。それを正すことです。