36歳を境に、大きな「世代の断絶」があることに気づいていますか

道理で話が合わないと思ったら…
QREATOR AGENT プロフィール

飲みニケーションは廃れる

--上の世代では当たり前だったことが、当たり前でなくなってきていることに気づかなければならないわけですね。「飲みニケーション」などのビジネス文化にも変化はあるのでしょうか?

尾原:飲みニケーションを否定するわけではありませんが、飲みニケーションがより有効だった時代の背景には、「黙って仕事をする」という文化がありました。言われたことを早く・正確にやるだけなら、誰かとしゃべる必要はありませんから。だからこそ、仕事終わりの食事の場で、仕事仲間と卓を囲みながら仕事に対する思いをぶつけ合うことが大事だったわけです。

しかし、正解がない時代だからこそ、決まった仕事をただ黙々とこなせばいいでは通用しなくなり、しゃべって変化をいち早く伝えることが重要な仕事になったわけです。サッカーに例えると、相手のフォーメーションの変化に気を配りながら、味方プレイヤーの足の速さやスキルを考慮してパスを回したりしますよね。

時には言葉すら使わずにアイコンタクトだけで連携したり。そうやってお互いを理解していかに変化に対応するかが大事で、仕事場でその理解を深められなければ意味がないのです。

 

あとは、飲みニケーションの場では仕事への不平不満を吐露することが多いのではないでしょうか。同じことを同じゴールに向かってやっていた世代は、いかに「同質」であるかということが大事だった。悩みなどを共有し、お互いが同じ境遇であることを確かめて安心し合っていたのでしょう。

Photo by shutterstock

世代間ギャップを埋めるには

--「乾いている世代」と「乾けない世代」はどのように付き合っていくべきだと思いますか?

尾原:先ほど決定権を現場にいる下の世代に与えるという話をしました。加えて、しっかりフォローしながら正当な評価をしてあげることも大事だと思います。以前勤めていたリクルートでは、一対一のミーティングを非常に大切にしていました。

上司の話の聞き方がとても上手で、具体的にいうと「最近どうだ?」と何か報告せざるをえないオープンクエスチョンを開口一番にしてくるんです。若手だった私も何か言おうと頑張って答えるなかで、後ろ向きなことを正直に言ったときの上司の対応が頭に残っています。「……それで、お前はどうしたいの?」と聞かれるんです。

こう聞かれると今のままでいいわけがないと思考も前向きになり、しかも自分の口から「よくないと思います」と言わざるをえないため、自然と頑張るしかない状況ができあがる。当時はうまく私も乗せられていたなと思いますが、「そうだよな、お前らしくないもんな」などと声をかけてもらえれば、理解されていると感じられて前向きになれるわけです。

ただ、上の世代の先輩方も戸惑っていたのかなと今では感じるようになりました。昔は、「飲みにいくぞ」で若手を引き連れて飲みに行き、出身地が同じぐらいで同調し合えたわけです。学歴や肩書きぐらいの差が個性になって話が盛り上がったのに、若い人は興味を示してくれなくなりました。

「乾けない世代」にとって出身地という肩書きはかなり関心度の低いものです。人気の漫画の話なんかをして壁を無くしていく方が、よっぽど話を聞いてくれる。