亀井静香×田原総一朗「安倍首相はこれから大変。俺たちには分かる」

二人だから話せる政界放談
週刊現代 プロフィール

消費税増税は許されない

田原 亀井さんは、与野党の再編劇に大きな役割を果たしてきました。

亀井 ひとつは'94年に村山政権をつくった時です。社会党の野坂浩賢という強力な相棒とともにね。

田原 野坂は社会党の中の左派でしょう?

亀井 そう。安保反対、日の丸・君が代反対です。

田原 自民党の中の右派の亀井さんと、社会党の左派の野坂さんがなぜ仲がよかったんですか?

亀井 日本の国民に幸せな生活を送ってもらいたいという点は一致していたからですよ。あとは状況次第で変えていけばいいと思ってきた。

田原 結果的には村山さんが首相になったことで、社会党はつぶれました。いま、社民党には福島瑞穂ら4人しか議員がいません。社会党をつぶしたのは亀井さんなんだ。

亀井 つぶれるべくしてつぶれたんですよ(笑)。社会党が、流れに棹を差して、ちゃんとした政治をやっていれば、逆に自民党をつぶしていたはずです。

田原 その後、民主党政権でも亀井さんは国民新党代表として連立を組みましたが、結局民主党政権は崩壊していきます。

 

亀井 消費税増税の問題で、私は譲れなかった。菅直人が増税を言い出し、野田佳彦が10%にすると言った。

うちの国民新党で下地(幹郎)にしても、自見(庄三郎)にしても民主党に同調するもんだから、私は、自分のつくった国民新党から出たんですよ。それでひとりぼっちになっちゃった。

田原 野田の消費税10%案に自民党も公明党も賛成していましたが、亀井さんは反対だったの?

亀井 反対だった。私からすれば、消費税増税は「大衆課税」で許されない。いま、国家予算の4倍にのぼる400兆円という大金を大企業がため込んでいるのに、従業員の給料にも設備投資にも使っていない。

それに手をつけず、一般大衆から消費税で取り上げちゃえというのは間違いです。

田原 希望の党の小池さんが、企業の内部留保に課税しようと言っているのには賛成?

亀井 賛成ですね。

田原 安倍・自民党は反対しているよね。

亀井 だから自民党は駄目なんだよね。額に汗をして働いている人たちの立場に立ってやらないと。

田原 今回、自民党が勝って、安倍さんはますますいい気になるでしょう。

亀井 「勝ってかぶとの緒を締めよ」というのは、こういうときのための言葉ですよ。消費税も原発も、イケイケドンドンで行くようなことだと、大変な事態になります。

今度トランプ大統領が来日するでしょう? 大型台風になりますよ。

ドナルド・トランプPhoto by GettyImages

田原 トランプは日本に何を求めるでしょうね?

亀井 すでに農産物の市場開放を強硬に求め、自由化して「もっと買え買え」と言ってきている。

田原 麻生(太郎)さんがワシントンで攻められた。自動車と牛肉をもっと買い、関税も下げろと。

亀井 そのなかで、トランプ本人がやってくるわけですよ。日本とアメリカは安保条約も結んでいる同盟国だけども、同盟関係というのは日本にとってもいいものでなくちゃ困る。アメリカにだけ都合がいい同盟なんていうのはあり得ない。

田原 安倍さん、トランプにノーと言えるかな?

亀井 安倍総理がここでちゃんと対応できれば、「さすが安倍総理」となる。アメリカから自立した独立国家としての姿を示せるよね。

田原 亀井さん、本当はできっこないと思っているでしょう?

亀井 今の状況じゃ、台風に押されちゃう可能性がある。貿易問題だけでなく、北朝鮮の問題があります。

田原 北朝鮮問題でトランプは日本に何を求めてきますか?

亀井 いろいろなオプションがあるけれど、軍事行動が一番怖いね。トランプだから、やりかねないんですよ。アメリカは軍事作戦をやっても安全だと考えているから。

田原 アメリカが軍事行動に踏み切り、北朝鮮が反撃しても、韓国か日本に攻撃するだけでしょう。

亀井 そう。トランプの今考えているオプションでは、アメリカは絶対安全なんですよ。