安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある

どうかこの公開書面を見てほしい
山下 祐介 プロフィール

法を守らない者に憲法改正をはかる資格ナシ

あなたの読み違えは、「憲法改正」派が野党からも多数立候補したことでしょうか。そしてこのこともまたあなたによい風を送りました。これで念願の憲法改正にたどり着きそうです。

でもあなたはこの点ではウカウカしてはいられないはずです。

逆に今回、妙に過激に憲法改正を訴える候補者が出てきたことから、かえって国民の間では警戒感が強まり、護憲を主張する立憲民主党の躍進につながったからです。そこであなたは立憲民主党抜きで国会の議論をやるようなことを示唆しはじめたと聞いています。

いやいやちょっと待ってください。憲法は一部の人たちのものではない。国民全員のものですよ。そもそも今の日本国憲法は国民自身で決めたものではないというところから、改憲の議論もあるのではないですか。

まさかと思うのですが、こういうことでしょうか。立憲民主党や彼らを支持している人々は国民ではないと。排除すると。

メディアの反発からでしょう、11月1日の記者会見では「与野党に関わらず幅広い合意を形成する」と後でとってつけたようにおっしゃいましたが、あなたの本音はそうなのでしょう。

そして、もしそういう意識が少しでもあるのだとすれば、あなたが自分の職責をどのように考えているのかを問わなくてはなりません。

 

あなたはふつうの人ではありません。内閣総理大臣であり、国の行政のトップです。あなたは国民全員に向き合う必要があるのです。排除の意識など、かけらでも持ってはいけない立場なのです。

でも私があなたの言論を聞いていて非常に恐ろしいと思うのは、あなたにしばしば排除の論理が見え隠れすることです。

私も「改憲の議論は必要なのでは」とは思っています。でもそれはあなたが考えているものとはだいぶ違うようです。実際、あるべき憲法の内容は、人それぞれに違うはずです。それを私たちはていねいに根気よく中身をつめていかねばなりません。

憲法は国民全体のものです。あなたやあなたに近い人の考えを押しつけてよいものではありません。国民投票も相当に慎重に進めなくてはなりません。

そして私には、こういう声が聞こえてきているのです。「憲法の見直しはよいが、この安倍政権の元での改憲だけは絶対に嫌だ」と。なぜそうなるのか、わかりますか。

あなたは私たち国民に憲法を守ることを強要しても、あなた自身は守るつもりはありませんね。まさしくこの選挙がそうだったのですから。

日本国憲法は、あなたが今回やったような恣意的な解散を認めるものではありません。憲法改正は、憲法を守らない人間が提案できるものではありません。

それとも「今の憲法を自分は認めてないから、守らなくてもよいんだ」と、そういうお考えなのでしょうか。ならば、あなたが作る新しい憲法も、国民が認めなければ守らなくてよい、ということになるのではありませんか。

要するにあなたは、国を司るものとして絶対にやってはいけない手を使ったのです。それも今回のことだけではありませんね。ルールを守らないということでは、このところずっとそうでした。

その上に君臨する権力は、国民を守るものにはなりえません。これは大変危険な権力です。この権力は緊急に解除し、あなたの職を誰かに明け渡さなくてはなりません。

あなたが今いる権力の城は非常に危ういものです。ルール無視を重ねたことで、あなたには、あなたの実力では統制できないほどの権力が集まっています。それどころか、すでに、暴走をはじめてしまったようです。

選挙前の約半年に起きたことだけでも考えてみてください。今手を打たなければ、暴走は暴走をよび、これからさらにエスカレートすることになるでしょう。

そうした過剰権力のもつ危うさを知る大事な警告が、この選挙のきっかけとなった加計問題の発覚でした。しかし何かを軌道修正する大事な機会だったこの事件を、あなたは自分のプライドを優先させて、握りつぶしましたね。

あなたは自分の正義を、国家の安定よりも上位におきました。しかもそれをあなたの周りの誰もとがめず、その重要な警告の意味をあなたは意に介してもいないようです。