言葉のプロが分析!選挙のキャッチコピー「巧い政党・ヘタな政党」

過去12年分も比べてみました
竹内 謙礼 プロフィール

また、日本維新の会がホームページで使用している『古い政治を壊す。新しい政治を創る。』というキャッチコピーに関しても、選挙後の新しい政治を具体的に伝える言葉がもう少し必要だったのではないかと思います。

今の消費者は、先行きが不安なので、不透明なことに対しては不信感しか頂きません。また、現状の生活に対して不満はありますが、壊したり、リセットしたりするほど不満を持っているわけではありません。

そういう意味で言えば、このような過激な言葉で有権者に訴える言葉の作り方は、やや国民との考え方に開きが生じているような気がします。

例えば、『新しいリーダーが、日本を救う。』や『増税ストップ。全力で生活を守る。』といったような、具体的な政策と選挙後のビジョンを、もっとキャッチコピーでアピールしたほうが良かったのかもしれません。

有権者の心を動かすコピーとは?

キャッチコピーを通じて各政党を考察してみると、選挙に臨む姿勢や選挙後の考え方、さらには政党の表現力など、様々な角度で政党の本質部分を垣間見ることができます。もちろん、政治家の大先生たちが集まった個性的な集団なので、キャッチコピーに対していろいろ口を出し過ぎてしまい、最終的に当たり障りのない言葉を無難に選んでしまったという背景があるのかもしれません。

しかし、それらの事情もひっくるめて、チーム力やリーダーシップ力が試されるのが政党を一言で表現する「キャッチコピー」になります。

キャッチコピーが直接、勝敗を分けるような要素ではないことは重々承知していますが、キャッチコピーが政党の羅針盤となって、政治家が何を考えて、日頃からどのような志を持って政治に取り組んでいるのかが分かるのは事実。今後の選挙において、キャッチコピーが選考の基準にはなっていくのではないかと思います。

 

販促系のキャッチコピーをコンサルティングしている立場から言わせていただければ、「お客様がお金を払う」と「有権者が票を入れる」というのは、同じスタンスの行為だと思っています。

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大切な国民の1票は、大切な消費者のお金以上の価値があり、国民である“お客様”の心を動かさなければ「当選」という“買い物”は成立しなくなります。

そう考えれば、選挙にもお客様目線が求められる時代なんだと思います。次回の選挙では、短く、力強く、分かりやすいキャチコピーで“今”を戦うのではなく、私たち国民に対して、“選挙後”の明るい未来を想像させてくるキャッチコピーで、各政党、勝負してもらいたいところです。