10月18日から24日にかけて、北京で第19回中国共産党大会が開催された。
今大会の最大のポイントは、習近平総書記が長期間にわたって中国を支配する壮大な野望が明らかになったことだ。
習氏は自らの思想を党の規約に盛り込み、自国の社会を自らの意思で動かそうとしている。
まさに、習氏は中国のゴッドファーザーともいうべき存在になった。今大会では習氏の後継候補の指導部入りが見送られた。
同氏は自らの思想を党内に植えつけ、自分の支配力の強化に取り組もうとしているように見える。
実際、今回の党大会では、習近平総書記の権力基盤が従来に増して強固なものとなった。
同氏は、1949年の建国から100年を迎える21世紀半ばまでに、文化、軍事、経済などの分野で世界のトップ=強国を目指す考えを明らかにした。
この目標を実現するために、習氏は自らの思想を社会に浸透させようとしている。
経済の側面から目指す姿を考えると、持続的な経済の成長による経済大国の建設がそれにあたるだろう。この考えを示す言葉が「小康社会」だ。
習近平思想を徹底して、腐敗や贅沢を正すことをすべての国民が胸に刻み、一定の経済成長率を実現して社会全体の持続的な発展をもたらすことが目指されている。
言い換えれば、中国経済は、これまで以上に党に主導されていく可能性が高まった。
電気自動車などの新産業の育成だけでなく、金融市場の管理、資産価格のコントロール、企業の経営などに共産党の意向が強く反映されて行くはずだ。