# 日本文化

なぜハロウィンは日本でこれほど大ブームになったのか

転機は2009年、その時何が?
堀井 憲一郎 プロフィール

日本での起源

ハロウィンを日本でも騒ぐようになったのは、そんな昔ではない。

私が初めて街で見かけたのは、平成になった年、1989年である。

平成元年の10月31日は火曜日で、その夜、山手線に乗っていると、仮装した小悪そうな西洋人が車内を走り回ったのだ。悪ふざけをしています、というのがわかりやすく、ああ、これが噂に聞くハロウィンかとおもったのだ(映画を通してその存在を知っていたばかりだった)。

雑誌記事で調べると、この1989年のフライデーに山手線で騒いでいる外国人の記事があったから、本当に目立つように騒いでいたらしい。

新聞を見ると、1995年に大阪の環状線で、1997年にはまた東京の山手線で、仮装した小悪い外国人、100人から200人が電車に乗ったり降りたりして、大騒ぎしたという記事がある。どうもぐるぐる回る電車が、小悪い西洋人は好きなようである。

ただその後、あまりハロウィンを見かけなかった。

どこかで行なわれているが、こぢんまりした季節のイベントという印象だった。地蔵盆とか、亥の子祭りのようなものだ。

 

目立ってやっていた場所としては、東京ディズニーランドがあった。

いまでこそハロウィンは渋谷スクランブル交差点のものという印象が強いが、それまでは、東京ディズニーランドが独自にがんばっている、というイメージが強かった。

ディズニーランドでは1990年代末からハロウィンイベントが始まっていた。毎年頻繁に行っているから、始まり出したときの印象は残っている。

調べると1997年からの開催である。10月31日のハロウィン当日限定でのイベントだった。

1998年の10月31日が土曜日、1999年が日曜なので、ここから盛り上がりだした。日付けが決まっているので、曜日によって騒ぎの規模が変わってくるイベントである。

2000年代に入っても似たような状況で、10月31日におおっぴらに仮装して練り歩く場所があまりなかったので(川崎市ではパレードをやっていたらしいが)、仮装好き(コスプレイヤー)がここぞとばかりにディズニーランドに集まっていた。誰かに見つけてもらおうと園内をうろうろしている背の低いジャック・スパロウなどが印象的だった。

これが2000年代の前半である。

まだディズニーランド内だけで騒いでいる印象が強かった。

東京ディズニーランドのハロウィン〔PHOTO〕gettyimages

転機は2009年

2003年くらいから、別のほうに広がっていった。

小さい子を持つお母さんたちから、ハロウィンパーティの話を聞くようになった。

幼稚園のママさんたちが、秋の子供のイベントとして語るのをときどき聞くようになった。けっこう大変なのよ、と言いつつ若い母たちは何だか楽しそうだった。2000年代当初は、小さい子どもたちと母、それにディズニーランド周辺のイベント、という規模のものだった。

ハロウィンが一般的になった、と感じたのは2009年からである。