「住宅ローン返済遅延→家族崩壊」回避のために、知っておきたい秘策

知っておかなきゃ大変なことに…
山下 和之 プロフィール

ローンを組むときからリスクを想定しておく

だからこそ、延滞が発生する前に、適切な行動を取ることが極めて重要なのがわかるだろう。一番いいのは、住宅ローンを組む段階からそうしたリスクを想定して、万一のときに備えておくことだ。

たとえば、借入後に金利が上がっても返済額が増えない全期間固定金利型を利用しておけば、かなりの確率でリスクを回避できる。

どうしも低金利で利用できる変動金利型にしたいという場合には、現在より1%、2%金利が上がっても返済に問題がないようなゆとりある返済計画を立てておくべきだろう。

 

そしていまひとつの方法としては、最長35年返済が利用できるローンでも、25年、30年など、できるだけ短い返済期間にしておく。本来35年返済が可能な住宅ローンを25年返済で組んでおけば、返済が厳しくなったときには、数千円程度の手数料で、返済期間を当初からの返済期間合計35年に、10年間延ばすことができる。それによって、毎月返済額が減少して、何とか返済していけるようになるかもしれない。

住宅ローンの返済期間を短くすれば、毎月の返済額が増えるが、その分、完済までの総返済額は少なくなる。しかも、万一に備えるリスクヘッジにもなるわけだ。

延滞前に相談すれば4分の3は救われる!

実際に住宅ローンを組んで、返済に行き詰まってからそんなことをいっても間に合わないが、ローン破たんの泥沼を回避する手立ては用意されている。

その際大切なことは、返済が苦しくなったときには、延滞が発生する前に取り扱い金融機関で相談するということだ。恥ずかしいなどと躊躇っていると、延滞発生→金利上昇→ローン破たんへの一直線になってしまう。

返済が苦しくなったと言えば、金融機関の担当者は嫌な顔をしないだろうか。そうした不安もあるかも知れないが、これはまったくの取り越し苦労だ。金融機関としても、ローン破たんされるよりは、多少の猶予を与えてでも、返済を続けてもらうほうがありがたいに決まっている。返済期間が長くなれば、利息収入が増えるわけで、完済してくれさえすれば、むしろその方がおいしいくらいなのだ。

金融庁の指導などもあって、そうした条件変更への相談には、真摯に対応することが求められているので、安心して相談に出かけていただきたい。そうすれば、一時的なローン返済額の減額、返済期間の延長(リスケジューリング)などの救済措置を講じてくれる可能性が極めて高いのだ。

図表2はフラット35の利用者への条件変更の申込みに対する対応結果をしめしている。「条件変更を実行」が73.8%に達していて、相談に行った人の4人に3人は条件変更などによって、返済を続けているわけだ。