サイバー攻撃を仕掛けるハッカーの頭の中は、こうなっている

秘密はこうして盗まれる
神永 正博 プロフィール

世界に遅れをとる日本の技術

このたび『現代暗号入門』(講談社ブルーバックス)を上梓させていただいた。本書の最大の特徴は、実際に使われている暗号や、現代的な暗号技術の概略がつかめることだ。

現代的な暗号の基本要素は、共通鍵暗号、ハッシュ関数、公開鍵暗号であり、これらを組み合わせて、様々なシステムを構築する仕組みになっている。

それぞれの部品がどのような役割をして、どのように使われるか、またどのようなことが穴になりうるかを、様々な実例を通して明らかにする。もし必要であれば、豊富な脚注によって詳細を知ることもできる。

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暗号は間違いなく、これからの数十年を支配するキーテクノロジーだ。にもかかわらず、技術の根本を理解し、かつ最新の技術に通じている者は驚くほど少ない。そうした人材がいれば、業界が放っておかないだろう。ビットコインを始めとする仮想通貨も、電子署名とハッシュ関数という暗号技術に支えられている。

仮想通貨の技術はブロックチェーンを通して取引の自動化(スマートコントラクト)に進化しているが、いずれは金融取引をはじめとして、世界中の膨大な取引がブロックチェーンに乗るだろう。暗号の本格的な応用はまだ始まったばかりである。技術者不足はこれからが本番だ。とりわけ日本では。

暗号理論は面白い。この複雑怪奇で巧妙な数学的仕組みを、是非楽しんでいただきたい。