転職のプロが読み解く、小池百合子の「キャリアの終着点」

いわば、ジョブホッパーの末路だ
井上 和幸 プロフィール

特徴3:リスク予知の嗅覚に長けている

ジョブホッパーは自分の実力が露呈して首を切られる前に、自ら次へ転職する。

どだい1年、2年で、大きな事業を成し遂げるとかプロジェクトを立ち上げPDCAを回して成功フォーマットを創り上げるなどということを完遂することはできない。

 

一流のジョブホッパーは弁が立つのでスタート時期は周囲から見ても(悲しいかな、その会社の社長や経営陣、事業トップなどから見ても)、「お、何かやってくれそうだな」と感じることが少なくない。

しかし、実行力が乏しいため(若手の頃は優秀だったはずが、年齢を経るについて求められる職務の深さや広がりに当人の仕事力が追いつかずのケース、あるいは性格的な怠惰から自分で試行錯誤、苦労することをせずに人にやらせることばかり考えるようになり、結果無能になっているケース)、徐々に周辺にネタバレし始める。

あるいは、自分が置かれた環境が、なんらかよくない状況になりそうだなどの察知力も極めて優れている。

こうしたことから、「ネタバレアラート」「環境悪化アラート」が自分の中に鳴り出したら即、次の場探しへと内々動き出す(我々もこういう段階のジョブホッパーからの転職相談アプローチを日々受ける)。

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今回、「希望の党」を旗揚げしながらも、党首指名を回避下したのは、小池氏の一流の危機回避嗅覚が働いたのだろうか? 

だとしたら、まさに超一流のジョブホッパーだが、逆にそれがゆえに「希望の党」の失墜は旗揚げ段階で既に彼女によって予見済みであったということだ。巻き込まれた加入党員と、何よりも有権者への無責任なこと、ここに極まれりだ。

一流のジョブホッパーにとって、最優先事項は「自分のキャリアアップ」。当人にとっては自然、当然な動きなのだから、関係者にはいい迷惑だ(選挙戦、投開票日に党首がパリ出張というのも、考えてみればそもそもあり得ない話と思うのは、私だけだろうか…?)。

特徴4:ある面、ツラの皮が厚い

一流のジョブホッパーは、「売れるネタ」は徹底的に使う。自らが失脚したネタであっても、臆面ない。

おそらく皆さんがよく知っている、メディアなどでも見かける「プロ経営者」の中には、(関係者なら皆、知っている)1年程度で短期解雇された、一流のジョブホッパー系の「元・超有名企業社長」が複数名存在する。

それらの人は、「あいにく業績を上げることができず解雇になりました」などとは一切言わない。それどころか、堂々と(苦笑)「元・◯◯社長が語る」などの著書や講演活動で引っ張りだこの人もいる。

冒頭の通り、耳あたりが良いキャッチフレーズがうまい小池氏。これまでの活動、実績のその実体は……。

一流のジョブホッパーたちは滔々と「絶対に成功させてみせます」「**戦略を実行します」などと言う。感動するくらいに弁が立ち、耳あたりが良い言葉を次から次へと羅列するが、それが実行されないことに問題がある。

小池氏は今回、党の公約として「消費増税凍結」「ベーシックインカム」「原発ゼロ」などを並べ立てたが、実行の根拠は薄い。それはいったい本当に実行できるのか? やろうと思っているのか?

そもそも東京都知事として掲げた公約(「セーフ・シティ、ダイバー・シティ、スマート・シティ」)から1年、そのうちどれくらいが実行実現されようとしているだろうか。