転職のプロが読み解く、小池百合子の「キャリアの終着点」

いわば、ジョブホッパーの末路だ
井上 和幸 プロフィール

上記の経歴を見て、私が抱いた問いは、「小池氏は、<一流のジョブホッパー>ではないか?」である。

 

私が十数年に渡り経営層・幹部層の転職市場を見てきて言えるのが、小池さんと「一流のジョブホッパー」には高い相似性があるということだ。

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「ジョブホッパー」とは、短期間で転職を繰り返す人材を指す。

一般的には、理由の如何を問わず、1〜2年での転職を3〜4回以上繰り返しているジョブホッパーはその後の転職、就労環境は劣悪なものにならざるを得ないが、中にはその後も更に上位の職務を華麗に渡り歩き、最後には経営トップにまで辿り着く「一流のジョブホッパー」もごく少数存在する。

その「一流のジョブホッパー」の特徴と、小池氏のキャリア変遷とを比較してみよう。

特徴1:そもそもの基礎能力は非常に高い

一流のジョブホッパーは若手時代、仕事はでき、実績を出している。概ね学歴も高い。小池氏もそれに漏れない。

この手の人材は、学生や社会人若手時代から「人になびく」チカラ〜自分が得する人に取り入る力に優れている。小池氏はどうだったのだろう?

1つの逸話として、アシスタントキャスターを務めた日本テレビ「竹村健一の世相講談」での縁で竹村健一氏に非常に可愛がられていたとのことなので、目上・大御所に気に入られる「可愛がられ力」は元々高かったのではないか。

一方で、優秀であるが故に、人を見下すような所作が目立つところもある。いわゆる「上から目線」だ。

<自分が万能。他人は自分のいうことを聞けばよい。自分以外の人はバカで、言っていること・考えていることは間違っている、自分が正しい。>

「出来る人だが、性格的に嫌いだ」、そう思われていることが多いのが、一流のジョブホッパー。さて、小池氏は?

特徴2:時流を見る目に聡い

一流のジョブホッパーの経歴には、その時々の旬な企業、「流行りの企業」が含まれていることが多い。ジョブホッパーのキャリア変遷を象徴するのは、ある一時期を謳歌した急成長企業などが経歴に含まれている際に、その企業が急成長を始めた時に入社し、ピークアウトしたところで即、別の企業に移籍していることだ。

最近の例で言えば、急成長期の某ネット系企業やゲーム系企業に転職殺到した一群がいるが、その時期に入社した人間ほどその後の業績低迷・海外撤退時に一斉に退職している。

一方、小池都知事の、その華麗なる「時流サーファー」ぶりの一部を見てみると、

・細川護煕が日本新党を立ち上げ、最初の選挙参院選で細川に次ぐ比例代表名簿2位で当選。
・日本新党解党に伴い新進党結党に加わり、小沢一郎、羽田孜らと活動を共にする。新進党では小沢幹事長の側近と言われる。
・一転、自民党に入党し、森喜朗率いる清和会に入会。小泉首相が内閣改造、入党間もないため入閣候補の下馬評になかったにも関わらず環境大臣として初入閣。
・その後自民党の石破茂のグループに所属。安倍vs石破の争いになったとき、石破派にいたことから安倍との関係が悪化、安倍政権での小池の入閣は難しくなる。

・舛添要一都知事がスキャンダルでメディアに叩かれ始めたところで、石破に「これは相談ではなく報告です。次の東京都知事選に私出馬します。相談だと止められるのでこれは報告です」と告げ、都知事選に出馬、当選。
・山尾議員の不倫スキャンダルによる民進党の自滅をみた安倍首相の解散衆院選決定に乗じて、「希望の党」旗揚げ。

フリーアナウンサーからの華麗なる政界入り、当時の「時の人」、ファッションリーダーでもあった細川氏に帯同して以降、常に時流の先端を狙って身の置き場を変えてきた姿が見て取れるだろう。