不気味な「しびれ」のウラには、実は重大な病気が隠れていた

脳卒中、糖尿病、 心筋梗塞の前兆か
週刊現代 プロフィール

どう区別すればいいか

では、こうした心臓の病気を原因とするしびれは、その他の違和感とどう区別すればいいのか。寺本氏が続ける。

「よくあるのが、心疾患によるしびれと、肩こりの違和感を混同してしまうケースです。見分け方としては、違和感のある部分を揉んでみて、筋肉がほぐれる気持ちよさがあれば肩こりだと考えていい。緊急の心配はありません。

もし、そうした気持ちよさがない場合は、病院に行って心臓を検査してもらったほうがいいかもしれません」

冒頭でも触れたとおり、よく知られたことだが、しびれは本格的な脳卒中の前兆でもある。脳の血管が詰まったり、瘤ができたりすることで、感覚神経、運動神経を司る細胞が働かなくなるのだ。顔、手足にしびれが出るが、それが現れるのは、半身だけという場合がほとんど。

しかしときに、より明確な特徴を持つしびれが出ることもある。前出の寺本氏が言う。

「『手掌・口症候群』という疾患が出ることがあります。口の右半分か左半分、そして同じ側の手の先にしびれが起きたり、知覚が鈍くなる症状です。神経内科医以外ではあまり知られていませんが、意外と症例は多いのです」

⑤がんなどの内臓疾患でしびれが発生するケースも、まれに存在する。

「膵臓は体の奥深くにあるため、そこにがんができても自覚症状が出にくい。膵臓が『沈黙の臓器』と言われる所以です。しかし、症状が進行すると、背中にしびれや違和感が出ることがある。裏を返せば、このしびれしか判断する方法がないとも言えます。

しびれは、輪郭のはっきりしたものではなく、曖昧に広がるような違和感に近いものです」(前出・寺本氏)

 

このほかにも、ストレスが溜まったり、心理的に不安定になったりすることで全身にしびれが出ることもある。筋肉の凝りなども考えられるが、そうしたしびれは数日で消えることが多く、過剰に心配することはない。

しびれの感覚は、個人差が大きく、判断をするのが難しい。年を取ると、体のどこかがしびれることは珍しくなくなり、「よくあること」として放置しがちだ。しかし、そのしびれが重い病気のサインかもしれないことは心に留めておきたい。

体に普段と違うしびれがあり、その異変に、これまで述べてきたような特徴がある場合は、それが、自分の体が発する危険のサインと考えたほうがいいだろう。