不気味な「しびれ」のウラには、実は重大な病気が隠れていた

脳卒中、糖尿病、 心筋梗塞の前兆か
週刊現代 プロフィール

続いて、②血流との関係でしびれに重大な影響を与えているのが、糖尿病である。
糖尿病によるしびれは全身に出るが、出やすい場所は決まっている。

「手の先と足の先、つまり手袋や靴下をつける場所にしびれが出るのです。これは、『グローブ&ストッキング型』のしびれと呼ばれています」(菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁氏)

さらに、神経の異変によるものと違って、首や肩などを動かしても、しびれの具合が変化しにくいのが特徴だ。

しびれの原因は諸説あるが、血糖値が高い状態が続くと、血流が悪くなり、末梢の神経に酸素や栄養が回らなくなるため、もしくは「ソルビトール」という物質が神経細胞に蓄積されることで、細胞内に水分が過剰に流入し、神経細胞の機能が低下するためと考えられている。

 

慢性的にしびれる人は…

冒頭に登場した藤田さんは、しびれをきっかけに糖尿病を発見できた幸運なケースだった。しかしそれとは逆に、しびれを放置していたために病状が悪化した人もいる。

東京都に暮らす富田逸男さん(63歳・仮名)は会社を経営しており、仕事柄、接待でよく酒を飲む。身長170cmで、体重は長い間90kgを超えていた。

健康診断は、自治体が運営するものがあることは知っていたが、面倒臭がって受けてこなかった。そんな富田さんが足にしびれを感じたのは50歳のときのこと。

「私の場合、しびれに気づいたのは、自動車を運転している最中でした。アクセルとブレーキを踏みかえるときに、いままでに比べてうまくペダルの位置を把握できないような感覚があったんです。

その直後から、足が、正座の後のようにジンジンとする感覚がずっと続くようになり、手にも同じ感覚が出るようになった。ですが、同じころ妻が急死したこともあって、病院には行きませんでした。

2年後、違和感がひどくなったので医師に相談すると、糖尿病と診断された。しかも症状は進行しており、視力もずいぶん下がっていた。最初にしびれが出たときに相談しておけばという後悔は拭えません」

糖尿病は、発見が遅れれば、網膜がダメージを受けて視力が低下したり、人工透析が必要となったりする。慢性的なしびれが出たときには、糖尿病を疑って損はない。