「あの頃、カープは弱かった…」今だから笑える広島の記憶

ファンたちに聞いてみました
竹田 聡一郎 プロフィール

ちなみに逆指名と同時に導入されたFAについては、「逆立ちしても勝てない超スーパースターはメジャーに行っちゃいますから、金持ち球団がどんだけ積んでもそこまで脅威となる補強はもうできない」が、清水さんの見解だ。

また、清水さんはアマ野球にも精通しており、この春の某アマ大会で苑田聡彦スカウトを見かけたという。「今年もいいドラフトしてくれると思います」と豚玉(850円)を焼きながらニヤリと笑った。ディープな野球談義をしたい方には下高井戸「こいのぼり」のカウンター席をお勧めしたい。

カープファンは絶望しない

愛娘は高校に進学した今も共に神宮のライトスタンドへ共に通う岡本宏之さん

江東区在住の飲料メーカー勤務、岡本宏之さんは今季のMVPを「嬉しいことに今年は選ぶのが難しい」としながら、松山竜平を挙げた。

「誠也が抜けた後“4番目の打者”としてきっちり繋いで加点する流れを作った。ビジターではヒーローインタビューで促されても『鹿児島のじいちゃんばあちゃん』を封印する配慮など人格的な成長も含めて」

岡本さんは幼い娘を連れ市民球場にも通っていたが、その頃の第二次山本浩二体制が終焉した05年あたりを「あの頃、弱かった」シーズンとして強く記憶している。

「鯉幟を仕舞ったら失速してそのまんまの、典型的な前世代の広島野球。黒田(博樹)が投げないと勝てなかった印象すらある。現役時代の緒方がいて、育ち始めた新井がいて、前田智徳、栗原健太、ラロッカ、レッドゴジラ嶋重宣といったパワーヒッターが揃ってて、狭い球場でホームランがよく出た。見るぶんには楽しかったけど、とにかく抑えられない。勝てない。弱かったなあ」

そう嘆く岡本さんだが、前述の門田さん、清水さんを含め、カープファンは共通しても悲観しても絶望しないようだ。岡本さんは言う。

 

「たぶん、ほとんどのカープファンが同じだと思うんだけど、『情けないのう』とか『あいつは許せん』みたいなの、ないんだよね。

むしろ『5位か。よう頑張った』みたいシーズンのほうが多かったし、負け試合でも『今日の○○は頑張った。やはりセンスがある』とか、『新人の△△は成長するから来年は楽しみじゃ』といった類の言葉をファン同士で交わしてた気がする。

だから今年なんかは、結果も出ていて複数の若鯉がレギュラーを脅かすような成長も見せた。酒が最高にうまいよね」

歓喜から円熟、そして常勝へ。カープの成長曲線は続くのだろうか。まずはきっちりCSを勝ち切って、33年ぶりの日本一を目指す。