「あの頃、カープは弱かった…」今だから笑える広島の記憶

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竹田 聡一郎 プロフィール

ブレないのが強さの秘密

素材の風味を大切にしたお好み焼きにこだわる清水靖夫さん

下高井戸でお好み焼き店「こいのぼり」を営む清水靖夫さんもその一人だ。「現代野球はブルペンが強くなければ勝てない。MVPはブルペン全投手です」と語る。

清水さんは大学卒業後、外食チェーンに就職してから2010年に脱サラし同店をオープンさせたが、その10年シーズン、カープは5位だった。翌年も5位。

「確かに弱かったですね。『そんな弱い球団を贔屓する店でやっていけるのか?』と心配してくれる友人や知人もいましたけど、実は僕はそこまで悲観してなかったんです。

むしろ、去年の優勝まで『思いのほか時間かかったな』と思ったくらい。転機はあのインチキドラフトの廃止ですよ。確か06年かな、終わったでしょう」

清水さんが言う“インチキドラフト”とは、希望入団枠制度、いわゆる「逆指名」だ。戦力が偏りがちなことや裏金疑惑などが理由で06年のドラフトが最後となった。

 

清水さんの指摘通り、翌07年のドラフトでカープは安部友裕(高校生ドラフト1巡目)や丸佳浩(同3巡目)、松山竜平(大学生・社会人ドラフト4巡目)を獲得している。さらに08年は岩本貴裕を1位で、中田廉を2位で指名。

09年の1位は今村猛だ。10年には福井優也、中村恭平、磯村嘉孝らを、11年には野村祐輔や菊池涼介、12年には鈴木誠也etc…と外れ年がない。連覇の主戦力となった選手を指名し、育成し続けている。

「スカウティングと育成の二本柱が一切、ブレてないのが強さの秘密じゃないですかね。現行ドラフトであれば、暗黒時代はもう来ないですよ。それでも来季、その次くらいまでは現在の戦力を酷使せず、Aクラスを維持しながら主力となる選手を育てて2020の東京五輪くらいしれっと優勝。くらいのイメージがいいかなと僕は勝手に思っています」