話題のAIスピーカー"Google Home" を使って驚いた

これが意外に便利でして
加谷 珪一 プロフィール

家族の声を聞き分けて対応

グーグルホームは家庭内の複数利用者にも対応している。家族それぞれのグーグル・アカウントをリンクし、声を登録すれば、声を聞き分けて個別に対応する仕組みだ。

筆者が「明日の予定は?」と聞いた時は「11時の会議です」と回答してきたが、明日は予定を入れていない妻が同じ質問をすると「カレンダーに関連するものは見つかりませんでした」との返答になった。

声を聞き分け、チェックするグーグル・アカウントを使い分けていることが分かる。

本体にはマイクを切るスイッチがあるので、来客時などにはマイクを動作させないようにすることもできる。スイッチを切っている時の会話はグーグルホームは聞いていないはずだが、このあたりはグーグルを信じるしかないだろう。(本稿ではセキュリティ面の話はひとまず横に置いておく)

国内ではまだ対応製品が少ないが、グーグルホームは家電をコントロールする機能も搭載している。「リビングにある電気を消して」とリクエストすれば、実際に電気を消すといった操作が可能となる。近い将来はグーグルホームに対応した建売住宅などが売られることになるだろう。

これまで使ってみた感想として、グーグルホームは、まだオモチャ的なところがあり、あらゆるリクエストに対応してくれる存在ではない。またグーグルの場合、今回の製品に限ったことではないが、サービス全般において設定画面などで少々分かりにくい部分がある。

慣れてしまえばよいのかもしれないが、コンシューマー向け商品という位置付けなら、インタフェースにはもう少し工夫が必要と感じた。

ただ、グーグルホームの登場によって、声を使ってコンテンツを管理したり、家電などを制御する基本インフラはほぼ確立したといってよいだろう。

 

マーケティングは激変を強いられる

もしこうしたサービスが本格的に普及してきた場合、企業のマーケティングは大きな変革を迫られるだろう。

グーグルホームにリクエストして、返ってくる結果はだた1つである。「近くにある焼き鳥屋を知りたい」とリクエストすると「10件見つかりました」と返してくるが、その後すぐに「一番近くにあるのは○○です」と続く。確かに声で長々と説明されても利用者としては面倒なだけである。

つまりAIスピーカー時代には、コンテンツでも店舗でも商品でも、その利用者に対してナンバーワンの存在でなければ、紹介される機会が消滅するということである。

上位に入っていればよいというマーケティングと、1位でなければならないというマーケティングでは天と地ほどの差がある。

また、スマホの普及が外出先での人の行動を一変させたように、AIスピーカーは家の中での行動を大きく変える可能性を秘めている。友人が集まった時などは、声で次々と動画や音楽を再生できるので、とても楽しい時間を過ごせるはずだ。

ここにデリバリーの食べ物や、飲み物、パーティグッズの販売などが重なってくると、大きなビジネスチャンスになるかもしれない。

今年中にはアマゾンもAIスピーカーを投入してくる。アマゾンは物販と直接関連しているので、ビジネスに対する影響は極めて大きい。AIスピーカー上で推奨されるかどうかで、多くの商品の売れ行きが決まってしまう時代が、間もなくやってくるだろう。