「小池人気」の風が消えた希望の党は、このまま墜落するのか

あまりに早く駆け上がりすぎた

「天敵」の質問がきっかけ

10月22日投開票の衆院選、自民党が単独過半数を上回りそうな情勢だ。安倍政権と距離がある毎日新聞の調査でも、自民256(小選挙区197、比例59)と、公示前の284議席に届かないものの、単独過半数233議席を大きく上回る勢いだ。

自民党は候補者やその支援者が緩まないように、二階俊博幹事長、塩谷立選対委員長名義で、

「報道各社の情勢報道に一喜一憂することなく(中略)一票すらもとりこぼすことない万全の態勢を組んで運動にあたっていただきたい」

という緊急通達を出し、引き締めを計っている。

一方の希望の党は失速甚だしい。

9月下旬、小池百合子東京都知事の代表就任で、自公政権を過半数割れにまで追い込みそうな機運も生まれたが、現状では、現有の57議席を維持できるのかも微妙な情勢である。希望の党は、なぜ失速したのであろうか。

 

小池知事が9月29日の会見で、「希望の党への合流を望む民進党の候補者すべてに公認を出すのか」という記者からの質問に対し、「(憲法観や安全保障政策で一致できない人は)排除をされないということは、ございませんで、排除いたします」と笑みを浮かべながら述べたのが失敗であったことは、よく指摘されている。

「実はこの質問をしたのは、新聞などの報道機関に所属する記者ではなく、ルポライターの横田一氏なんです。過去に何度も都知事の会見に出席し、原発や安全保障について矛盾点を細かく付く横田氏を、小池氏は苦手としていた。

そんな横田氏が会見で挙手をしても、小池氏は指名をしないことが多かった。ごく稀に小池知事が『ハイ、横田さん』と指名し、度量の広さを見せるときもありますが、基本的に当てないようにしている。

半年ぶりに29日の会見では横田氏を当てたところ、出たのがあの質問。横田氏からの質問とあって、つい感情的になり、『排除いたします』という言葉を発してしまったのでは、とみられています」(都庁記者)

戦闘モードに入ったはいいが、その感情を抑えることができなかったのが、原因のひとつ、ということか。

突然の解散による準備不足は、いうまでもなくもう一つ目の大きな要因だ。公示前の10月7日。銀座四丁目で、小池知事、松井一郎大阪府知事、河村たかし名古屋市長ら「三都」の首長が演説を行ったが、その東京19区から出馬する、希望の党の佐々木里加氏がこう話す。

「準備が追いつきません。私は(女子美術短大の)非常勤講師ですが、辞める手続が間に合わず、授業をすべて休講にしています。この日(7日)のために、徹夜でタスキを作った。ミシンでカタカタ作ったのですが、表に『本人』と、裏側に『候補者』と入れたら、事務局から『候補者、は公選法にひっかかる恐れがあるから』と使用禁止でした。ボランティア集めなど、することは山のようにあります」