死に至るED「勃たない」は万病のサインだった

知っておきなさい。損はないから
週刊現代 プロフィール

これまでの話は、EDが大きな病気の「前兆」となる場合だった。

ほかにもこんなケースがある。それまでまったく気づいていなかったけれど、EDで病院に行ったことで初めて、自分がすでに病気にかかっていたことに気づくという例である。

 

糖尿病や狭心症かも

もっとも多いのは、EDになったとき、すでに糖尿病になっているというケースだ。獨協医科大学越谷病院泌尿器科の小堀善友氏が言う。

「EDの症状が出た人は生活習慣病全般を患っている可能性が高く、EDで相談に来て生活習慣病が見つかることも頻繁にあります。なかでもとくに、『気がついていなかったけれど、実は糖尿病だった』という患者さんは少なくない。

糖尿病はEDの主要な要因です。糖尿病で高血糖状態が続いているということは、血管がダメージを受けてペニスに血が流れ込みにくくなったり、神経が傷ついて脳からの興奮がペニスに伝わりにくくなったりしているということなのです」

さらに、糖尿病によってEDになっている場合、その後、心筋梗塞や狭心症を発症するリスクがより一層高くなる。

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前出の久末氏も言う。

「以前、EDと糖尿病を合併している20名の患者さんを対象に調査をしたことがあります。大した結果は得られないだろうと思ったのですが、X線を使って簡便に血管の内部を撮影できる『MDCT』を使って、患者さんたちの動脈を調べてみると、驚くことに約7割の方に冠動脈に狭くなっている部分があった。

つまり、その患者さんたちは『冠動脈狭心症』だったのです。しかも2名は『90%狭窄』という深刻な状態だった。ちょっとした弾みで血管が詰まってもおかしくありませんでした。

その後、ロータブレーターというドリルで血管の硬くなっている部分を除去して、ことなきを得ました。患者さんからは、『命の恩人です』と感謝されました。以来、糖尿病とEDを合併している患者さんには、MDCTを使った検査を頻繁に行っています」

EDは、自分が「これから病気を発症する可能性」、そして「すでに病気である可能性」を告げてくれる「サイン」なのである。前出の池谷氏はこう話す。

「EDになったことは、むしろチャンスだと考えることができます。それで病気が見つかったり、疾患の兆候を知ることができたりするからです。

そのサインを無視しなければ、しっかりした対応を取ることができます。EDになったときには、恥ずかしがらずぜひとも病院に行ってほしいと思います」

勃起力は男性の健康のバロメーターなのだ。

「週刊現代」2017年10月14日・21日合併号より