「20代で借金作って夜逃げ…一寸先は闇だった」ダイソー社長が告白

100均の帝王「小心者」の兵法
週刊現代 プロフィール

計算だけで商売はできない

――小売業の場合、成功すると大手量販店が参入してきて、中小企業のシェアを奪っていきますが、なぜダイソーはここまで大きくなれたのでしょうか。

「100均は手間がかかりすぎるんです。

過去にダイエーが88円均一セールをやるというから、店舗から追い出されたことがありました。

しかし、利益の計算ばかりしていたから結局上手くいかずに、またウチが戻ることになった。

あと、うちは一つの商品を1万個、10万個単位で発注するんです。そうすることで、コストも抑えられる。

もちろん在庫を抱えるリスクはあるけど、そうしないと量販店には勝てません。

たとえ利益が10円でも1日に10万個売れば100万円です。1ヵ月で3000万円になる。とにかく数を売ることを目標にしたんです。

実際、計算してみると売り上げと在庫が合わないんですけど、僕はバカだから計算しなかった。

商売は、計算じゃはかりきれないところがある。でも今日が食えているんならそれでいいと思っていました。

 

業界内では『ダイソーは儲かっていない』『あんな方法でやっていけるはずがない』とも言われましたが、気には留めませんでした。

むしろ私は『いい会社だ』と言われることのほうが怖い。これでいいんだと思った瞬間に成長は止まってしまいますから」

DAISOPhoto by GettyImages

――経営が苦しいときには、イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊氏からねぎらいの電話がかかってきたそうですね。

「『経営者にとってカネがないのは日常茶飯事だから、一人で苦しむなよ。なんかあったらカネを貸してやるから』と言ってもらって、ずいぶん勇気づけられました。

セブン-イレブンの鈴木敏文名誉顧問にも可愛がってもらったし、なぜか目上の人には好かれましたね」