イノッチとNHK高瀬アナの「朝ドラ」コメントから目が離せない!

やさしい洞察と地味なヤンチャさ
堀井 憲一郎 プロフィール

最終回に向かって

終盤になると、高瀬アナの感傷的度合いが高まっていった。

8月28日、127話前。

「この季節になるとね、おもうんです。朝ドラあと1ヵ月ちょっとだなーって(和久田:あっ、そうですねえ)。さあ、大事に見ていこうとおもいます、これで失礼します」

9月4日133話前。

「毎日この時間お伝えしていると、このあとのひよっこについてね、あらかじめこう、内容を教えてもらってるんじゃないかという、聞かれることあるんですが、まったくございません。ちょっとあってもいいんじゃないかとおもうんですけど、ございません。新しい一日の始まりです。なんのこっちゃと。(和久田:はい)」

この1秒ほど余ったので「なんのこっちゃ」と言ってしまうところに、高瀬アナの関西出身ぶりが出ている(これで関西出身でなければ逆にすごい)。ちょっと昭和の空気もする気配になごみましまた。

最終週の冒頭9月25日151話前。

「さあこのあとはひよっこですが、終盤を迎えて、物語が穏やかに進むことが、かえってさびしくなります。いよいよひよっこ最終週、そして新しい1日の始まりです」

前の週に、何人かの主要登場人物の周辺がばたばたと動いたので、それを受けてのこういうコメントになった。そしてこれはドラマを毎日見てるものの心情とまさにシンクロしているので、ひたすら高瀬アナに親近感を持ってしまう。

 

2日後、9月27日153話前のコメント。

「はい、ま、半年間にわたって勝手にひよっこを応援してきましたが、最終回を迎える心の準備が少しだけできてきました。それでは新しい1日の始まりです」 

謎めいた美女の早苗さんが、前日の152話で、12年間待ち続けていた恋人と一緒にあっさりアメリカに行ってしまった。あっと言う間に重要人物がすっと消えて、ああ、物語が終わるんだなあと実感したばかりだったので、高瀬アナのコメントに共感することしきり。

そして『ひよっこ』前コメントとしては最後、9月29日の155話前。

「さ、そして、このあとのひよっこ、明日でいよいよ最終回です。ま、素晴らしいキャストのなかで。やっぱりみね子にほんとに感動しました。すばらしかった。有村さん、おはよう日本にも、来て欲しかった!」

まさに、なんのこっちゃのコメントを出したんだけど、これはこのあとの『あさイチ』のゲストが有村架純なのをふまえて、いいなあ、こっちも来て欲しかったな、という無茶なふりだったのだ。かなり自由です。

ちなみに明けて次週、10月2日、『わろてんか』第1話前のコメントは、鉄道状況に引き続き「『ひよっこ』はいまも心の中に、あらたに『わろてんか』の始まりです」と結んだ。

いやはや、どこまでも感傷的で、いいですね。好きです。