〔PHOTO〕立木義浩
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シングルモルトに出会ったきっかけは「失恋」でした…。

タリスカー・ゴールデンアワー第7回(前編)

提供:MHD

夜久宜滋(やく・たかし)ドクターは病院には勤務せず、かといって開業医でもない、フリーランス・ドクターである。言ってみれば、"さすらいのドクター"なのである。医師の免許はちゃんと持っているのだが、何科の専門医でもなく、全国の大きな会社から依頼を受けて保健診断医をされている。

夜久ドクターはまた、IQが全人類の上位2%以内に入っていないと所属出来ない「メンサ」というサークルの日本支部会員でもある。

そのことは、スキンヘッドの頭の形をみても一目瞭然の感がある。カメラを向けた立木義浩巨匠も思わず唸った。

「ドクターの頭は、ガンジーに似てていいね。気に入った! 一瞬、ウイスキーを飲んでるガンジーを撮ってるのかと思ったよ」

すると"さすらいのドクター"は、「スキンヘッドと暴力が嫌いなところは、ガンジーに似ているかもしれません」と答えた。

(構成:島地勝彦、撮影:立木義浩)

* * *

夜久: じつは、ぼくがウイスキーにはまったきっかけは、失恋でした。

ボブ: ワオ! 夜久さん、はじめから飛ばしてきますね。衝撃的な告白です。

夜久: どうせ最初に訊かれると思いまして……。ウイスキーが傷心のぼくを癒やしてくれたんです。正直に告白しますと、それまでにも付き合った女性は何人かいたんですが、そのぼくを振った女の子というのは、歴代の彼女のなかでもダントツに可愛くない子だったんです。もちろんルックスだけの話ですけど。

シマジ: 可愛くない子に不意に振られたものだから、返ってショックが大きかったんですね。

夜久: まったくその通りです。結構、ガツンとくるものがありました。ぼくの方から振ったならともかく、振られるなんて……。

どれくらい可愛くないかと言いいますと、うちの母親がたまたま家に遊びにきた彼女をみて、「今回の彼女は、ぜんぜん可愛くないわね」と言ったくらいに可愛くなかったんです。たしかにぼく自身もそう思ってはいたんですけど、母親にもハッキリ言われてしまいました。

ヒノ: 夜久さんは、その可愛くない彼女とどこで知り合ったんですか?

夜久: そもそものきっかけはスキー部の合宿でした。彼女は他大学のスキー部の女子マネージャーだったんですが、合同飲み会の席で、ぼくの尊敬する先輩が酔っ払った勢いで、彼女を襲うような感じになったんですね。「ちょっと待ってください!」とぼくが止めに入りまして、それがきっかけで付き合うようになったんです。

シマジ: その先輩もあまり趣味がよろしくないんだね(笑)。

夜久: 尊敬していた人だったので、むしろそのときは、先輩にそんなことをやってもらいたくない一心で、止めに入った感じでした。

でも彼女は、見た目はともかく、明るくて気立てのいい子だったので、けっこう長続きしていました。それが、ある日突然、彼女の方から別れを切り出してくるなんて、まさに青天の霹靂でした。そのときのショックと言ったら、もう……。

それがきっかけで一時期、モヤモヤした気持ちを紛らわすためにお酒に走ってしまいまして、その結果として、タリスカー18年と巡り会うことになったんです。

シマジ: 面白い! まさに「人生は悪い冗談の連続である」だね。

ボブ: 夜久さん、いいところに落とし込んできましたね。ありがとうございます。

夜久: いえいえ、本当のことなので。しかも当時、発売されたばかりのタリスカー18年でした。

数あるシングルモルトのなかで、どうしてタリスカーを選んだのかと言うと、ドイツのバーマン、チャールズ・シューマンが書いた『シューマン バー・ブック』(河出書房新社)を読んでいたら、タリスカーについて、「アイラ・モルトのリッチさと、ハイランド・モルトのデリケートさを兼ね備えた味わい」と書いてあったんですね。それで、エントリーにはうってつけだと思ったわけです。

シマジ: タリスカーは、まったくその通りの「名酒」だと、わたしも常々思っています。

夜久: その勢いでタリスカー8年も探し出して買いました。これは娘の誕生日に抜栓して少し飲んだのですが、白州蒸留所を見学に行くシングルモルトラバーのツアーに参加したときに名刺代わりに持参しまして、おかげでマニアックな人たちの仲間に入れてもらうことができました。

シマジ: なになに、タリスカー8年を挨拶代わりにしたんですか。それはちょうど、腹を空かせたオオカミの群れに牛肉の塊を投げ込むような暴挙ですよ。あっという間に飲み干されてしまったでしょう。

夜久: はい。リーダー格の方がタリスカー8年を胸に抱えたまま離さず、ほとんど1人で飲んでいましたね。でも、まあ、いいんです。お酒というのは一期一会ですし、なんでも経験ですから。

シマジ: 夜久ドクターのその寛容さは素敵ですね。

海が育んだシングルモルト スコッチウイスキー
タリスカー 18年(TALISKER 18 YEARS)

タリスカーから、年間生産量限定ながら初めて定番として出された長期熟成のシングルモルトウイスキー。18年間の熟成がもたらす「円熟味」を愉しめる贅沢な1本です。