東京地検エリート検事「児童ポルノで停職2ヵ月」は甘すぎでは

退職金は推定1000万円以上
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スピード違反とはワケが違う

元愛知県警警務部長で、「NPO法人シンクキッズ――子ども虐待・性犯罪をなくす会」代表理事を務める後藤啓二弁護士はこう指摘する。

「公務員の不祥事では、(軽微な交通違反を除いて)このような罰金刑の場合は依願退職を前提とした停職処分が、本人と組織の双方にとって受け入れやすいということだと思います。

とはいえ、公務員、しかも検事という立場でありながら、児童ポルノ法違反で退職金をもらえる処分は、一般の方からみれば軽い処分の印象があるのは事実です。子どもを性の対象とすることは許されないという社会の強い姿勢を示す観点からも、議論の余地があります。

また、児童ポルノの単純所持を厳罰化することは児童ポルノ市場の撲滅に繋がるので、新たな被害者を生まないようにするという意味でも有効な手段だと思います」

 

罰金刑とはいえ、児童ポルノ法違反は単なるスピード違反などと違い、一般企業なら懲戒解雇でもおかしくない。

飲酒運転による死亡事故が社会的問題となっていた'06年9月、検問にて酒気帯び運転で検挙された朝日新聞記者は懲戒解雇になっている。

厳しすぎるという意見もあったが、社のイメージを考えればそれくらいの処分が必要なのも事実。児童ポルノで停職2ヵ月という検察の「相場観」は世間と比べてやはり甘すぎるだろう。

さらに問題なのは、菅井は検事を退官しても、弁護士資格を所持していることである。弁護士法によれば、禁固刑以上の刑罰を受けると弁護士資格は剥奪されるが、菅井が受けたのは罰金刑のみ。弁護士会が入会を認めれば、今後は弁護士として活動できるのだ。

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本誌は東京地検に、処分の軽重の判断基準などについて聞いたが、「個別の事件の取材にはお答えできません。今回の処分は公務員の基準に従ったものです」と回答するのみだった。

再発防止策について、東京地検は「本件を機に、職員の意識を高める指示文書を発出した」とコメントしている。

だが、そんな通り一遍の文書よりも、厳しい態度で菅井に処分を下すことが、何よりの防止策になったはずだ。

(文中敬称略)

「週刊現代」2017年10月14日・21日合併号より