自衛隊の次期戦闘機・F35、実は「重要ソフト」が未完成だった

【スクープ】もうすぐ配備されるのに…
半田 滋 プロフィール

IHIや三菱電機の場合も最終検査は同様に米側だけで実施するとみられる。最終検査を通じてF35の最大の特徴であるステルス性を探り、エンジンや電子機器の製造技術を日本側に移転することは望めなくなった。

かつてF15など優れた米国製の戦闘機に関して技術開示料(ライセンス料)を支払い、国内で生産することにより、航空機の製造技術を獲得し、三菱リージョナルジェット(MRJ)の製造・販売にこぎ着けた実績は、昔話になろうとしている。

 

米国が、そんなに甘いわけがない

米政府が近年、FMS方式を多用するのは、米政府の財政赤字を穴埋めするとともに、武器商売を通じて相手国をコントロールする狙いとみられる。

防衛省幹部の一人は「『オープン・ソース』すなわち技術開示と技術移転を約束したユーロファイターを選んでいればよかった」と航空自衛隊の「ステルス病」に恨み節をぶつける。

日米同盟とはいえ、商売となれば米国が別の顔をみせるのは常識中の常識である。

1980年代の次期支援戦闘機(FSX)選定の際には、米国製のF16戦闘機を母体に日米共同開発すると決まった途端、米国は約束をほごにして心臓部にあたるソフトウェアの開示を拒否した。

米国製のAH64戦闘ヘリコプターも、調達を始めて間もなく、約束をたがえて米国での生産を中止、国内の設備投資に巨費を投じた富士重工業が防衛省に315億円の支払いを求めて裁判にまで発展した(富士重工業の勝訴が確定済)。

日本政府は米国に何度も煮え湯を飲まされた過去があるにもかかわらず、また同じ轍を踏んだといえる。防衛省に「学習効果」の4文字は存在しない。