自衛隊の次期戦闘機・F35、実は「重要ソフト」が未完成だった

【スクープ】もうすぐ配備されるのに…
半田 滋 プロフィール

突如「33億円の値上げ」

F35をめぐる問題は、機種選定が行われた2011年当時、筆者が東京新聞で指摘するなど複数の新聞で繰り返し、取り上げられた。

機種選定の際に候補になったのはF35(米ロ社)、F/A18(米ボーイング社)、ユーロファイター(英BAEシステムズ社)の3機種。F35以外の2機種はステルス機ではないものの、リビア空爆などに参加した現役機なのに対し、F35は開発途上にあった。

何としてもステルス機が欲しい航空自衛隊は、選定基準から飛行審査を排除し、カタログ性能だけで選定すると主張した。実際に飛ばして性能を比べれば、未完成のF35が脱落するのは確実だったからである。

マイカーでさえ、カタログだけで決めず、試乗するのが当たり前であることを考えれば、このような選定方法は異例中の異例であり、ご都合主義というほかない。

 

航空自衛隊の言い分を丸飲みした防衛省は、重要視する順に(1)性能、(2)経費、(3)国内企業参画、(4)後方支援の4項目で3機種を比べ、2011年12月、「最高得点はF35」と発表した。これにもとづき野田内閣がF35導入を閣議決定した。

F35の問題は、未完成というだけにとどまらない。調達方法も、悪名高い有償対外軍事援助(FMS)方式だったことである。

FMSとは、米国の武器輸出管理法に基づき、(1)契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、(2)代金は前払い、(3)米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を提示し、受け入れる国にのみ武器を提供するというものだ。

買い手に不利な一方的な商売だが、F35が欲しい防衛省はFMS方式による導入を受け入れた。

FMSによる「マイナス効果」は早速、現れた。

米政府は、選定段階で1機89億円の機体価格を示していたにもかかわらず、日本での選定が終わった2カ月後に発表した2013年会計年度国防予算案には、日本政府への売値を1機122億円と、33億円も値上げして掲載した。

驚いた防衛省は米国防総省に書簡を送り、「価格高騰した場合、調達を中止する可能性がある」と泣きを入れたが後の祭り。自らの落ち度を認めることになる調達中止などできるはずもなく、米政府の言い値を丸ごと受け入れ、今では日本の国有財産台帳に1機121億余円の価格が載っている。

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