「京大卒元ニート」が次から次に新たなシェアハウスをつくるワケ

暇つぶしのために世話人をやっている

とりあえず家を増やそう

結局どこに行っても一長一短なのだ。最高だと思った場所でもしばらくすると何か嫌になったり退屈したりしてしまう。だからとにかくいろんな場所を移動し続けるしかない。寝泊まりできる家を各地に増やしたい。

複数拠点生活とシェアハウスは相性がいい。人数の多いシェアハウスだと自分がひっそり何日かいなくなってもあまり気づかれないし、家を維持するのも複数人だとコストが安い。

 

そんな感じで拠点となる家をたくさん作って、その間をぐるぐると移動し続けていれば、飽きないんじゃないだろうか。どうだろう。少なくとも一軒の家に住んでいるよりは長持ちしそうだ。

僕の周りには僕と同じような飽きっぽい人間、同じ場所に長期間いることができない人間がたくさんいるのだけど、そうした人間をよそに逃したくないというのもある。いろんな場所にたくさんの拠点を作っておけば、飽きっぽい人間たちをその中でぐるぐると回遊させることで、自分と関わりのない遠くに行ってしまうことを防げる。

せっかく仲良くなった人間が引っ越しとか転職とか飽きたとかの理由で、別のプレイヤー(シェアハウス運営者)のところに行ってしまうのはもったいない。できるだけ自分の界隈の人間を受け入れられるように家をたくさん作っておきたい。

人間は、生きているだけでそこに感情や関係性や運動エネルギーや消費活動や人権などのさまざまな力が発生する最強の資源だ。人口は国力だ。人は多ければ多いほどいい。人間が集まると自然といろんな面白いことが起こる。だからできるだけ多くの人を、自分のある程度手の届く範囲に留めておきたい。そのためにはシェアハウスという容れ物は最適だ。

photo by iStcok

とにかくたくさん人を集めて、家を集めて街へ、そして街から市へ、市から国へ。ゆるやかなネットワークをこの世界の中でどんどん広げていけば、そのうち自分たちの国みたいなものができたりしないだろうか。

……みたいなことはまあ妄想だけど、なんとなくそういうことを考えていると暇つぶしになる。今のところ直近の目標としては、とりあえずシェアハウスみたいなスペースを何軒も近所に増やしていきたいと思っている。

拡大を目指すのは、別に拡大によって何かを成し遂げたいからじゃない。単に、現状維持だと飽きるからだ。極度に飽きっぽい僕らは常に何か新しいこと(本当に新しいことじゃなくても何か新しいっぽいことでいい)をやっていないと全てが嫌になってしまう。そうしないと心が死んでしまうのだ。

何かこのシケた日常をぶち破るようなイベントが起こるんじゃないかという予感、その予感だけで僕らはどこまでも走っていける。実際に何か大きなイベントがあったとしても、時間はそれをまた日常へと風化させ回収していくのだけど。そうなったらまた別の非日常を探す。人生はその繰り返しだ。

とりあえず、家を増やそう。家を増やせば関わる人間も増える。人間が増えれば、その中には面白い奴も何人かいるし、その中で経済活動が回り始めたりもする。和やかなたまり場に人が集まり、酒を飲み肉を食い、ときどき多少の揉めごとがあり、問題を起こす者が排除され、男女が発情してくっついたり離れたりし、波乱がありつつも界隈が少しずつ拡張していく。

そんな繰り返される諸行無常をなんとなくずっと続けているうちに、いつのまにかよく分からない大きな勢力が生まれていたりしたら面白い。もしくは何かトラブルが起きて、一時は賑わっていたコミュニティがどうしようもなく破綻して、没落して無になっていくのを眺めるのも興味深い。

僕の考える人生の暇つぶしはもはやそんなことしかない。そんな気持ちで僕はシェアハウスをやっている。

家を出て街に遊ぶ。お金と仕事と家族がなくても、人生は続く。東京のすみっこに猫2匹と住まう京大卒、元ニートの生き方。