まもなく、日本の自動車メーカーが中国市場に屈する日がやってくる

中国の新型車が示すこと
加谷 珪一 プロフィール

日本人にとって車はもはや高級品だから

中国は市場規模こそ巨大だが、それでも1人あたりのGDPは日本の4分の1以下であり、ボリュームゾーンである中間層の平均的な購買力は先進各国よりも低い。

そうなってくると、今後、自動車市場で中心的役割を果たす中国市場におけるクルマの平均販売価格は欧米よりも安くなるだろう。

 

低価格帯のクルマということになると、欧米メーカーや日本メーカーよりも中国メーカーの方が有利に営業できる。日米欧のメーカーは、高級路線を追求して数を追うことを諦めるのか、低価格な製品を投入し、シェアを重視するのかについての選択を迫られるだろう。

中国市場でのシェアが高いVWやGMは現状を維持する戦略と考えられる。ホンダや日産は、中国市場に対して低価格なEVに活路を見いだそうとしている。

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ホンダは中国市場向けのEVに関して、基幹部品であるモーターや蓄電池を中国国内で調達する方針を明らかにしているが、これは価格競争力を重視した結果と考えられる。

一方、EVで先行するルノー・日産連合は、中国の東風汽車集団とEV開発の合弁会社設立を発表しており、低価格帯のEVを2019年から中国で生産する予定だ。

クルマは完全なグローバル商品であり、国内経済とは関係なく価格が決まる。経済力の低下が進む日本にとって、もはやクルマは超高級品であり、近い将来、多くの庶民にとって、さらに手が出ない商品となっていることは間違いない。

こうした状況で、クルマの国内販売を維持するためには、多くの家電製品がそうなったように、中国から車を逆輸入するような措置も必要となってくるかもしれない。