まもなく、日本の自動車メーカーが中国市場に屈する日がやってくる

中国の新型車が示すこと
加谷 珪一 プロフィール

中国市場でのシェアが「カギ」

自動車に限らず、かつての日本製品は「安かろう悪かろう」と言われ、粗悪品の代名詞だった。しかし、日本企業はたちまち技術をキャッチアップし、電機業界を中心に欧米メーカーの多くが日本企業の躍進によって廃業に追い込まれた。

どんなに優れた技術でも、いつかはキャッチアップされるというのが歴史の法則である。ここ数年以内に、中国の国内メーカーが、トヨタやGMの強力なライバルになることはほぼ間違いないだろう。

そうだとすると、中国市場でのシェアが低い日本の自動車メーカーは非常に苦しい立場に追い込まれることになる。その理由は、中国市場でのシェアこそが、今後の自動車メーカーの将来を左右するからである。

自動車産業は徐々にコモディティ化が進んでおり、高い付加価値が得にくくなっている。その結果、グローバル市場では徐々に4大メーカーへの寡占化が進んでいるのが現実だ。

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2016年の世界新車販売台数は、1位がVWで1031万台、2位がトヨタで1017万台、3位はGMで1000万台、4位は仏ルノー・日産連合で996万台だった。

5位以下には、韓国現代、米フォード、ホンダ、FCAなどが続くが、5位以下のメーカーの販売台数は上位4社に比べてかなりの開きがある。

2017年の上期は、日産の傘下入りした三菱自動車の生産が回復したことから、ルノー・日産連合が首位となった。2017年は上位4社による寡占化がさらに進んでいる可能性が高い。

 

自動車産業は典型的なグローバル・ビジネスであり、世界市場でのシェアは重要な意味を持つ。かつては、国内シェアにもそれなりの意味があったが、状況は大きく変わった。

2016年における日本国内の自動車販売台数はわずか500万台と、米国の3分の1以下、中国の5分の1以下しかない。

しかも日本市場は年々規模が縮小しており、国内の自動車メーカーにとっても、重要な市場ではなくなりつつある。規模のメリットが重要ということになると、当然のことながら中国市場の影響力が大きくならざるを得ない。