5問でわかる「ロヒンギャ問題とは何か?」スーチー氏が直面する壁

なぜ差別を受けるのか。解決できるのか
根本 敬 プロフィール

スーチー氏が「重し」となっている

私たちはロヒンギャの人々が置かれている状況の着実な改善を常に優先して考えるべきである。

そのためには、難民流出の直接の原因をつくった軍と警察による弾圧の責任追究が「正義の実現」として求められるにしても、それだけを声高に叫び続けることは、けっして政治的に得策とはいえない。

バングラデシュではイスラム教徒によるデモが起きている〔PHOTO〕gettyimages

軍はいっそう頑なになって国際社会への反発を強め、国内世論もそれを支持し、アウンサンスーチー国家顧問がこの問題でますます動きにくくなってしまうからである。

外側から見ていかに消極的に映ろうと、現状のミャンマーにおいてはアウンサンスーチー国家顧問だけがロヒンギャ問題の解決に取り組む前向きの姿勢を見せており、皮肉なことではあるが、彼女が反ロヒンギャに懲りたまった軍と国内世論が今以上に爆発することを抑える「重し」となっているのである。

私たちはそのことを認識したうえで、ロヒンギャの人々の状況改善や、これ以上の状況悪化を防ぐための対応をミャンマー政府に取らせていく必要がある。