始まったバノン「トランプ大統領への逆襲」

アラバマ予備選は政権崩壊への第一歩か
中岡 望 プロフィール

外に目を向けさせようとしているのか

そもそも指導者というものは、国内政治が不調だと、国民の目を海外に向けたがるものである。トランプ大統領にも、この主張は当てはまるようだ。

現在、トランプ大統領を巡るメディアの最大の焦点は、対北朝鮮問題と、大統領とNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の争いに当てられている。

トランプ大統領と北朝鮮政府の間では激しい言葉のやり取りが行われている。ホワイトハウスのスタッフはトランプ大統領に発言で自重を求めているが、大統領はそれを無視して、「必要なら北朝鮮を完全に破壊する」という挑発的な発言も行っている。こうした発言に対して北朝鮮の外務大臣が「トランプ大統領は実質的に北朝鮮に対して宣戦布告している」と激しく反発した。

これに対し、ホワイトハウスは事態の鎮静化を図るのに追われている。ホワイトハウスのハッカビー報道官は「アメリカは北朝鮮に対して宣戦布告はしていない」と、記者会見で異例の弁明を行っている。

 

オバマ政権の国務長官ジョン・ケリー氏は9月20日にテレビ番組に出演して、トランプ大統領の北朝鮮に対する発言は「子供じみている」と批判的な発言を行っている。

さらに「相手の悪口を言うことで問題が解決するなら、もう問題はとっくに解決しているはずだ。悪口をいうことで相手が自分の望むように行動させることはできない。国連の場で自分の支持者向けの発言はすべきではない」と厳しい口調で語っている。

ケリー前国務長官の指摘を待つまでもなく、トランプ大統領のツィートによる暴走は止まらない。ホワイトハウス内で検討されずに、単なる思い付きで発信される発言は、予想以上に深刻な問題を引き起こす可能性がある。

ケリー首席補佐官がトランプ大統領に発言を自重するように言ったところ、その助言に怒ったトランプ大統領は首席補佐官を反発する場面もあったと伝えられている。ケリー首席補佐官はホワイトハウスに規律を取り戻すことに成功したが、トランプ大統領はコントロールすることはできなかったと、アメリカのメディアは伝えている。