2017.10.04
# 企業・経営

「プロ部長」こそが、これから最も必要とされる職種だ

これほど貴重なスキルはない
鈴木 貴博 プロフィール

組織を守る技術

ふたつめとしてプロ部長は、経営目標を組織目標に落とし込む能力を備えている。

会社組織では上の組織のビジョンや考え、その時の事情などがからみあって上から経営目標が降りてくる。ほとんどの場合、その経営目標の出来がいいことはない。何らかの矛盾や無理、不合理や理不尽を備えたものが目標として降りてくる。

 

プロ部長であれば、まずその目標を簡単には引き受けない。上が執行役員や本部長であれば、まずその上と議論を重ねたうえで、部として引き受けられる形になるように組織目標の交渉を行う。

会社の目標は理解したうえで、顧客との関係、部員のスキル、そして社員が疲弊しないかたちで目標に落せるかどうかを勘案して、やりきれる目標ラインに組織目標を持ちこむスキルを持っている。

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東芝では歴代社長は「チャレンジ」という言葉で組織を動かそうとしてきたという。上がチャレンジというのはたやすいが、そのチャレンジをどこまで飲めるのかは部門によってまったく状況が異なるはずだ。

だから上から理不尽なチャレンジの命令が来た際に、どこまで応じて、どこの線から先は断固断るのかどうかが部の生命線となる。プロ部長が率いてきた現業部門では、後々無理がたたった不適正会計が露見するなどの問題は起きにくいだろう。

会社がばらばらに分割処理されて経営権が他社の移った後でも、部がひとつの事業単位として機能できれば、新しい会社の下で強力な独立部隊として再スタートすることも可能になるだろう。

つまり、プロ部長は、理不尽な経営者から組織を守る船長のようなスキルを備えているのである。

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