2017.10.04
# 企業・経営

「プロ部長」こそが、これから最も必要とされる職種だ

これほど貴重なスキルはない
鈴木 貴博 プロフィール

プロ部長、3つのスキル

では、プロ部長とははたしてどのような部長なのか。

プロ部長を大きく分ければ、企画部や人事部といった管理部門の部長か、営業部や開発部のような現業部門の部長かで必要とされるスキルはかなり違う。

筆者の経験で言えば、この時代に現業部門で3つから5つぐらいの課をたばねた部の責任者だった現業部門のプロ部長には、他の会社がのどから手が出るほど「この人を欲しい」と思うような3つのプロのスキルを持っているケースが少なくない。ではその3つのスキルとは何か?

ひとつめのスキルは人材配置である。

会社の現業部門で業績を支える基本単位は「課」や「プロジェクト」であり、部の業績はこのようなプロジェクトが5つとか、15とかがまとまって仕上がっているものだ。この場合、プロ部長が部の業績を差配する最大のポイントは人材配置である。

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ただ漫然と自分の部は課が5つあって、それぞれ7~8人の課員がいるから、一年間そのままで動かすというのはプロ部長としては失格である。その時の業績に重要な顧客やプロジェクトごとにどう資源配分をするのが最適かを考え部内の異動をひんぱんに行うことで部の業績には結構大きな差がでる。

当然のことながら、中だるみをしている中堅社員や、伸び悩んでいる若手をみつけて、それらの部員が成長するようにチャレンジの場を与えるという「人材育成のための人材配置能力」もプロ部長には期待される。

 

実例を上げると『文春砲』で知られた週刊文春の編集部はまさにひとつの部である。さまざまなリークやたれ込みをもとに日々、7人のデスクの下に7~8人の記者や契約スタッフがそれぞれのスクープを追っている。

総勢5~60人規模の部ということになるだろう。その部で山尾志桜里衆議院議員、豊田真由子衆議院議員、安室奈美恵さん、元SMAP3人、そしてこれから記事になるAさん、B氏、C議員といった数十の案件が常に同時並行で走っている。

そうしたなかで編集部のトップの最大の仕事は、週単位で行うこれらの記者の人員配置だという。

プロ部長が人材配置を間違ってしまうと、長期持続的に文春砲を放つことができなくなる。個々のプロジェクトの単位ではスクープが重要だが、編集部の単位では人材配置が最も重要になるわけだ。

つまりプロ部長というものは50人から100人ぐらいいる部員のひとりひとりの能力や適性、状況を把握したうえで、それを最適配置するという貴重な能力を持っているのである。

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