清水建設・福島第一原発電所内作業所長の「不可解すぎる死」

福島「復興利権」の闇
週刊現代 プロフィール

幅を利かす地元業者

除染作業が終了しても、建物の解体や新たなインフラの整備、そして中間処理施設の建設・管理と、被災地では莫大なカネが動き続ける。

そうした巨費を温床とした不正の横行が目に余る状況のなか、捜査機関もようやく重い腰を上げようとしている。

「安藤ハザマの一件では東京地検特捜部が強制捜査に乗り出しました。これは、外からは仕組みがわかりにくく見て見ぬふりをしてきた復興利権に、特捜部が本気でメスを入れていくという姿勢の表れです。復興バブルで業績が右肩上がりの大手ゼネコンも戦々恐々のはず」(前出・伊藤氏)

 

今回の一件について清水建設に聞くと、「期間や方法、不正取引の詳細を含めて、本件全体の問題点について現在調査中です」との回答があった。

A所長のもとで働いていた清水建設のある職員が複雑な胸中を語る。

「所長は社員とも作業員とも同じ目線で会話のできる人でした。一般の人にはわからないと思いますが、どこの現場にも必要不可欠な『配慮』というものがある。

この仕事を知っている人なら誰もが、この配慮の必要性に納得するはずです。本社も認めている以上、所長が水増し請求に関与していたのは事実でしょう。でも、所長はあのカネで私腹を肥やしていたわけではない、そう信じる人は少なくありません」

A所長が亡くなってから10日以上が経った現在、地元警察が彼の死について捜査を進めている様子はない。A所長は「復興利権の闇」を抱えたまま、逝った。

「週刊現代」2017年10月7日号より