クルマの「完全自動運転」でなくなる職業・モノ全リスト

運転手がいらない世界はもうすぐそこに
週刊現代 プロフィール

単なる乗り物ではない

高齢者にとっても自動運転は非常にメリットが大きい。高齢者にありがちな発進時の操作ミスによる事故は減っていくからだ。

単に運転のストレスから解放されるのみ、そう考えているうちはまだ現在の想像の範疇にとどまっている。自動運転車は我々の想像を超える進歩を遂げ、ただの「乗り物」ではなくなっていく。

「クルマは人を運ぶだけの『機械』ではなくなっていきます。自動運転は運転しているときの苦痛を減らすだけでなく、様々なデータをセンサーが集め、共有して、人間が役に立つ情報を自ら提供するようになるのです」(前出・清水氏)

具体的にはどういうことか。たとえばあるクルマがワイパーを動かしたとしたら、そこで雨が降っていることがわかる。その情報を集計すれば、些細な気候の変化を今よりも早く把握できるようになるのだ。

 

「ITビッグ5」の一翼を担うグーグルは、道路沿いの風景をパノラマ写真で見られる「ストリートビュー」を運営している。

現在は専用のカメラを搭載したグーグル所有のクルマを走らせて地道に写真を撮っているが、これなど真っ先に自動運転車で変わっていく。

グーグルのAIを搭載したカメラを積んで走るクルマは、それぞれ走行中の風景を撮影して、それをネットワーク上で統合するようになる。そうすれば、リアルタイムで世界の街並みの状態を知ることができるのだ。ITによる「監視社会」が極まると考えれば、少し怖い気もするが。

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とにかく近年、ありとあらゆる世界を変えてきたAIは、メーカーの業界構造すら劇的に変えていく。

自動運転に詳しいアナリストのマイケル・ラムジー氏は次のように語る。

「今後自動車メーカーが注視するのは、これまで車体を作っていた下請けの企業よりも、自動運転のソフトウェアを構築することができるIT業界のほうになっていきます。その一方、自動運転に関するパーツ以外のものはどんどん削減されていきますので、倒産するパーツサプライヤーも出てくるでしょう」

自動運転の実用化はあなたが想像しているよりもはるかに早い。「当たり前」だと思っていたことはとっくの昔に過去になっているのだ。

「週刊現代」2017年10月7日号より