「菌付きトング」でO157感染、死者も… あなたは大丈夫?

サラダバーやバイキング…危険は身近に
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トングの材質にも注意

しかし、一般の店にこれだけの対応を求めるのは現実的ではない。では惣菜店やファミリーレストランに関してはどのような点に注意して店を選べばよいのだろうか。

今回の「でりしゃす」のように不特定多数の人間が同一のトングを使う形式の店は当然、リスクが高まる。

それに対し百貨店の惣菜売り場などはトングを扱うのがスタッフだけに限られ、対面販売になっている点で安心だと言える。ただし、注意が必要な場合もある。

「個人的に危険だと思っているのが、コロッケ、唐揚げなどのコンビニのホットスナックです。店員が提供してくれるのですが、多忙ゆえに衛生管理がなおざりになりがちです。

店員がおカネを触った手で、そのままホットスナックに触るケースを実際に見たことがあります」(南清貴氏・フードプロデューサー)

 

客が各自でトングを使う形式の店の場合、注意すべき点は何か?トングで扱う食材によっても、菌の繁殖のしやすさ、感染のリスクは変わってくる。ポイントは「水分」だ。

「トングを介してどれほどの菌が付着するかは食材、料理によって差があります。パンなどは乾いていますし、焼いた後のものに菌が繁殖することはないでしょう。

それに対して惣菜は水分が多く、菌が繁殖しやすい。トングに触れる面積も大きいため、菌が付着しやすいのです」(久住英二氏・医療法人社団鉄医会理事長)

トングが汁に長時間浸っているような惣菜は避けたほうが無難だろう。

トングの材質にも注意する必要がある。

「素材がステンレス単体でないトングは衛生的とは言えません。

例えば、ステンレスの周りの持ち手のところにプラスチックがついていると、その隙間が殺菌できていないことがあります。プラスチックはヒビができやすく、その隙間も殺菌しにくい。

竹、木など自然素材のトングも、ステンレス製に比べると非衛生的です」(前出・河岸氏)

今回の事件を受けて、レストランや惣菜店が使い回しを避けようと、トングを大量購入。品薄が伝えられる。

裏を返せば、これまでトングは衛生管理上の盲点だったのだ。安心して食事を楽しむためにも、万全の注意を払いたい。

「週刊現代」2017年10月7日号より