アパレルメーカーがヒット商品を生めなくなった、ひとつの原因

メルカリ社長×軍地彩弓【前編】
QREATOR AGENT プロフィール

ファストファッションがダメになる理由

小泉 ファストファッションは、自ずからヒット商品が生まれない動きをしている気がします。それは、リスクヘッジを考えているからなんでしょうが、プロダクトサイクルが早くてどんどん商品が入れ替わり、小ロットでしか生産しない点にも欠点があるんじゃないかと。

この欠点のために消費者が欲しいと思ったものが実店舗には残っておらず、実需が二次流通に流れてしまっているというケースもあります。実際、メルカリユーザーを見る限りでは、ファストファッションもよく売れているんです。一次だけでなく、二次流通まで含めて見たら、ファストファッションでも新たなヒットは生まれているんじゃないかという気がしてしまうんですよね。

 

軍地 ファッション業界がコストの大きい業界であることは間違いなく事実であり、ロットにもシビアにならざるをえない。在庫リスクもありますし、悪天候による来客の減少なんてリスクもあります。

こういったファッションメーカーが抱える数多くのミスマッチから考えると、メルカリは"マッチする場所"ですよね。ユーザーの観点で表現すると、欲しい物があるところ・欲しい物を探しに行くところ。本来であれば、店舗が果たしていた役割をローリスクで担いながら、メルカリは拡大していると感じています。

◇軍地彩弓(ぐんじ・さゆみ)大学在学中からリクルートでマーケティングやタイアップを中心とした制作の勉強をする。その傍ら講談社の『Checkmate』でライターのキャリアをスタート。​卒業と同時に講談社の『ViVi』編集部でフリーライターとして活動。その後、雑誌『GLAMOROUS』の立ち上げに尽力する。2008年には、現コンデナスト・ジャパンに入社。クリエイティブ・ディレクターとして、『VOGUE girl』の創刊と運営に携わる。​2014年には、自身の会社である株式会社gumi-gumiを設立。現在は、雑誌『Numéro TOKYO』のエディトリアルディレクターから、ドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ系)のファッション監修、情報番組「直撃LIVEグッディ!」のコメンテーターまで、幅広く活躍する。

小泉 メルカリは、欲しいものを探しにくる場所のため、トレンドを作れないという弱い一面も確かにあります。ただ、そこにリアルな需要があるというのは事実です。

軍地 人の気持ちがすごく素直に出ているプラットフォームですよね。メルカリを見ていると、『消費者は本当はこれが欲しかったんだ』とハッとすることがあるぐらいです。