「北朝鮮問題」覚悟を決めた安倍首相と、決められない野党の「大差」

選挙の争点は、やっぱりここだろう

「圧力か、対話か」

いよいよ衆院解散である。夕刊フジが9月13日発行号で「9・25解散強まる」と報じたのを皮切りに各マスコミがこれを後追い。しばらくは安倍首相も真意を明かさなかったが、今日25日についに衆院解散を表明する。

安倍首相の気持ちは、北朝鮮の一点にあるのだろう。国民と国家を守るために、どのような政府が必要なのかを国民へ問いかけるはずだ。先の国連での演説を読んでも、この決意がわかる。15分程度のものであるので、全文を読んだらいい(http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2017/0920enzetsu.html)。

北朝鮮の脅威が目の前に迫っていることを強く世界に訴えて、今は対話ではなく圧力の時だと、これまでの歴史を鑑みながら納得のいく説明をしている。振り返れば1994年の米朝間核合意、2005年の六ヶ国協議での北朝鮮の核放棄合意と、二度も対話による合意があった。にもかかわらず北朝鮮はいずれの合意も無視して、核・ミサイル開発を進めてきた。対話による安定を期待していたが、いまはその期待とはまったく正反対の状況にある。

 

安倍首相は、「三度も騙されるために対話をするのか」と選挙で訴えるだろう。国連で国際社会に訴えたように、国民にも問いかけるはずだ。

簡単な対立図式でいえば、「圧力か対話か」が選挙の重要な争点となるだろう。左派政党は「対話を」となるだろうが、はたして対話路線で、リアルな国際政治の議論についていけるだろうか。

実際の国際社会でも、当初中国とロシアは対話を主張していたが、最近では対話と圧力のなかで、圧力のウエイトが増している。特に、先日北朝鮮が実施した水爆実験では、さすがの中国もロシアも「これはマズい」と思いだしており、石油禁輸は盛り込まれなかったものの、それに準ずる強い制裁措置が採用されたことからも、それは明らかだ。

日米が強い対応を打ち出したところ、北朝鮮側は「超強硬対応を検討する」とした。まさに米朝のチキンレース。トランプ大統領は金委員長を「ロケットマン」と呼び、「アメリカや同盟国を攻撃する事態になれば、他の選択の余地はなく北朝鮮を完全に破壊する」ともいった。

これに対し金委員長が声明をだした。かの国で委員長が声明を出すこと自体が異例であるが、「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」とした。「慎重に考慮」と表現しているところに、まだ最終段階には至らない余地を感じるが、これでチキンレースはまた一歩進んだ。

特に、金氏は声明の最後で「行動で見せる」といっているので、さらに核・ミサイル開発を進めるのは確実だ。北朝鮮は独裁国家なので、誰も金正恩委員長に意見を言える人はいない。委員長のいうことを実行するだけである。

一方、アメリカでトランプ大統領に意見を言える人は、北朝鮮に比べれば長女のイバンカ氏をはじめ少なからず存在しているが、もはやトランプ大統領も引き下がれない段階まできている。

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