金正恩氏の行動は、元経済ヤクザの眼から見れば驚くほど合理的だった

ミサイル2発で「成果」を得たのだから
猫組長

北朝鮮クライシスの正体

北朝鮮のミサイルには、ウクライナの部品が使われていると報じられている。ウクライナは兵器大国で、大小200以上の軍事工場があるのだが、その大半を仕切っているのがロシアン・マフィアだといわれている。

ロシアという国が直接北朝鮮に兵器の部品を供給すれば「テロ支援国家」とされてしまうため、ロシアン・マフィアが仲介する形でパーツを供給しているのである。国家から資源を扱うことを許された官製犯罪組織の規模は「超絶」の一言で、その親分こそが、ほかでもない国家元首。つまり、プーチン大統領その人だ、とも言える。

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「裏方」として北朝鮮を支えてきたロシアだが、9月に入ると、米朝関係について「挑発や圧力、敵意に満ちた攻撃的な発言はどこにもたどりつかない」「大規模な紛争に発展する手前」など、プーチン大統領が積極的に発言をしている。

これまで北朝鮮問題において、アメリカは中国に対してのみ働きかけてきた。トランプ氏に無視されたプーチン氏にしてみれば、ユーラシア大陸という巨大なシマの「組長」としての威信を、暴れる舎弟をコントロールして見せることで示すチャンスが今なのだ。

 

北朝鮮を軸にしての「米ロ代理戦争」がはじまれば、状況はますます拮抗することにもなる。そして混乱こそが北朝鮮の得意とする戦場なのだ。

12月までの猶予を得たことで、さらなる混乱を狙ってミサイルを発射すれば、新たなミサイルを供給するためにウクライナの工場は稼働するのだから、一挙両得ということになる。どの道、核兵器が使用できない兵器であることはわかっているのだ。カタストロフ直前の緊張状態こそ、多くの利益を生むのは冷戦構造が証明している。

ロシアと北朝鮮という2つの「マフィア」が連携し、意図的に緊張状態をつくっていることが、北朝鮮クライシスの深層だと私は考えている。

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