〔PHOTO〕立木義浩
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私の「秘蔵ウイスキー」を、妻と息子が狙っています

タリスカー・ゴールデンアワー第6回(後編)

提供:MHD

前編【シングルモルト初体験は「ラガヴーリン16年」だった

(構成:島地勝彦、撮影:立木義浩)

シマジ: 津田さんの奥さんもお酒は飲まれるんですよね。

津田: はい。でも、かみさんがシングルモルトを飲むようになったのは、ここ1,2年ですけどね。もともと家系的にはかみさんのほうが酒が強いんです。かみさんのオヤジさんはシラフで家に帰ってくることはないっていうくらいの酒好きでしたから。

シマジ: 津田さんにしてみたら、奥さんがシングルモルトの味を覚えたら、津田コレクションがどんどん減っていって、気が気じゃないんじゃないですか。

津田: いまでも気がつくと、なぜか減っています。

シマジ: 静かに眠っていたウワバミが突然目を覚ましてしまったという感じですか。早く帰宅しないといけませんね。

津田: 父親の影響で昔のボトル、とくに、70年代、80年代に流通していたブレンデッドをよく知っているんですよね。先日も古いロイヤルハウスホールドをみつけて「まあ、懐かしい!」って言って開けちゃったんですよ。「おまえ、よくもー!」みたいな気分でした。

シマジ: 奥さんは自分でお金を出していないから、それがいまどれほど貴重なものなのかわかっていないんでしょう。

津田: そうなんです。その昔、父親が買ったりいただいたりしては週に1本くらいのペースで飲んでいたらしいですから、そんなに高いものとは思っていなくて、軽い気持ちで開けたんでしょうね。「いまこのビンテージを入手するのは大変なんだぞ。バカヤロー」と愚痴っても、かみさんには馬耳東風でした。

シマジ: やっぱり自分でお金を払ったことがないと実感は湧かないんでしょうね。

津田: さらに、ぼくにとってはまったく困ったことなんですが、次男坊が古いウイスキーには資産価値があるらしいということに気づいてしまって、「パパ、あれはぼくたちへの遺産だよね」なんて生意気なことを言い出す始末でして。

ボブ: それは確実に目をつけられていますね。危ない、危ない。

シマジ: いまその次男坊はいくつなんですか?

津田: 大学1年生で、シマジさんの大学の後輩になります。おまえ、メルカリで売ったりなんかしたら、勘当だぞ。大学の授業料も払ってやらないからな!と言っています(笑)。

シマジ: メルカリってなんですか?

津田: ネット上のフリーマーケットみたいなもので、いろんなモノを気軽に売ったり買ったりできるんです。うちの息子はそこで洋服を出品したりしているんですよ。

シマジ: なるほど。そこへお父さんが大事にしているウイスキーを出品されたら大変ですね。

津田: 笑えない事態です。そんなことをしたら本当に勘当します(笑)。

ヒノ: バーでもいいですし、ボトルを買って飲んだものでもいいですが、津田さんがいままでに味わったシングルモルトのなかでいちばん古いのは、何年ぐらいのものですか。

津田: 覚えているもので、ボトリングの古さですと、池袋の「ザ・クレイン」というバーで飲んだ1957年のリンクウッドですかね。ボトリングされたのが60年代ですから。

シマジ: 覚えてますよ。去年の9月ごろの話ですね。たしかに、あれは美味しかった。

津田: そうです。シマジさんにご馳走になったんです。ビルの建て替えでバーが閉まる直前に、シマジさんとミズマさんとぼくの3人で行ったんですよね。その後、広尾のサロン・ド・シマジ本店に寄って、岡田准一さんとシマジさんのラジオ対談「GROWING REED」を24時から聞きました。早いものですね。あれからもう1年も経ってしまったんですか。

ヒノ: 1957年ですか。その時シマジさんはいくら払ったんですか?

シマジ: よく覚えていないんだけど、たしか4万円払って少しお釣りをもらったぐらいじゃなかったかな。

ボブ: いや、それなら、むしろ安いぐらいですよ。

この強烈な個性を知らずしてシングルモルトを語れない
ラガヴーリン 16年(LAGAVULIN 16 YEARS)

アイラ島のラガヴーリン湾に面した、絵画のように美しい蒸留所で作られるシングルモルト。情熱的、スモーキー、豊かな香味で、多くの愛好家からアイラモルトの決定版と評価されています。