人工知能がつくった作品に、はたして「著作権」は認められるか?

本気で考えるべきロボットの権利と責任
金井 良太 プロフィール

アーティストのための機械学習

エリオット:たいていの場合は、カンファレンスやイベントに参加した人がその役をやるので、プロの役者ではないですが、人が人間らしい話し方やロボットらしい話し方をどのように捉えているかには、かなりバリエーションがあります。

ロボットの役をやると、Siri(シリ)のような話し方をする人がけっこういます。いかにもメカな感じのロボットを演じる人は少なく、ほとんどの人が「不気味の谷」に近い、人間のようだけど、少し違うロボットを目指した話し方をします。

金井:それは意外でした。それから、ここでのセリフの生成ですが、ニューラルネットワークによるテキスト生成もご自身でやられたようですが、こういった技術はどのようにして身につけたのでしょうか。

エリオット:最近はオープンソースのツールや実装済みのコードがたくさん出回っているので、導入するのは簡単になってきています。ニューラルネットワークの技術については、この演劇の提案がカンファレンスに受理された時点で始めました。

金井:AIのテクノロジーへのアクセスは簡単になってきているようですね。もはや、特別なトレーニングを受けていなくても誰でもすぐに入っていけるようなものでしょうか。

エリオット:それは求めているレベルによります。最先端の研究については、簡単にできるものではありません。それでも、オープンソースのコミュニティからの強い動きとして、その分野の教育者的な人たちが専門家でない人でも利用可能になるようなツールを提供してくれています。

ジーン・コーガン(Gene Kogan)とフランシス・ツェン(Francis Tseng)が開発した「アーティストのための機械学習(Machine Learning for Artists)」は非常に役立っていて、これから始めようという初心者にとっての良い教材となっています。

アートと機械学習を組み合わせたもので一番面白いプロジェクトや作品を作れるのは、AIシステムを深く理解していて、限界もわかっている人なのだと思います。そういった人たちこそ、限界に挑み面白いコンセプトを生み出すことができるでしょう。

金井:今回のようにテキストを生成させたりする場合には、ニューラルネットワークを訓練するのには、画像や音楽でもそうですが、かなりのトレーニングデータとしての素材が必要になるはずです。

クリエイティブな目的でAIを使おうとしたときに、著作権も問題になると思うのですが、こういった議論も起きているのでしょうか。