間もなく、AIスマホが上司になる日がやってくる

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これまでの常識を覆す進化を続けているのはAIの世界だけではない。たとえば医療の分野でも、革新的な研究が次々と実用化に向けて動き出している。iPS細胞などの再生医療が我々の寿命を大幅に延ばすかもしれないのだ。

同時に日本は、世界でも類を見ない超少子高齢化時代に突入しようとしている。AI、医療の進歩、そして日本が抱える個別の状況を考えれば、これから起きる「変化」は、すべての日本人にかつて経験したことのないほどの衝撃を与えるだろう。だからこそ今から、覚悟しておくべきなのだ。

そもそも、好き嫌いに関係なく、「そんなこと、ありえない」と思っているうちにいつの間にか「当たり前」になっているのが科学技術である。

『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』を著した、百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏はAIの進化をこう予測する。

「新しいテクノロジーが商品化されたとき、一部では『市場が激変する』と騒がれるけれど、多くの人は『こんなオモチャ、使い物にならない』と小馬鹿にしてしまいがち。

こんな例があります。'81年、ソニーから『マビカ』という、デジタルカメラの元祖のようなものが発売されました。発売当初は銀塩カメラの一強時代で、『あんなのオモチャだ』と市場は見向きもしませんでした。

'95年、カシオが発売した25万画素のデジタルカメラがヒットしましたが、大手フィルムメーカーの危機感はまだそれほど高まっていなかった。幹部は『高性能のフィルムと低性能のデジタルで棲み分けが進むだろう』と言ったそうです。

その後の'12年、カメラ用フィルムの世界最大手・イーストマン・コダックは経営破綻に追い込まれた。世の中は完全にデジタルの時代に突入していて、渦中のメーカーですらその流れについていけなかったのです」

Photo by iStock

今の大学生などは、写真といえばスマホで撮るもので、フィルムカメラは使ったことがないという学生が大半だろう。

革新技術が世の中に広まるとき、そのスピードと影響力は圧倒的で、「それ以前」があったことを忘れさせるほどの革命をもたらすということだ。

それでもAI時代の到来が信じられないという人は、やや出遅れていると言わざるを得ない。早くもAIをビジネスの現場に活用している日本企業が少なくないからだ。

 

たとえば日立製作所では名札型ウェアラブルセンサーを開発し、試験的に運用している。

首からぶら下げるタイプの装置には、赤外線送受信機や加速度センサーが内蔵されていて、身に付けた人の行動や会話を観察し、AIが学習する。しばらくすると、誰に会って話すと営業成績が上がるかまで教えてくれるようになる。

これらの企業よりも一歩先を行くAIの活用を実践しているのが、日本マイクロソフトだ。マイクロソフトは社員一人一人の就業時間の使い方を分析して、最適な働き方をアドバイスするAIを開発した。

「会議の20%を内職していた。本当に必要な会議か」

「あなたが送ったメールは開封されるまでに5時間かかり、4秒で斜め読みされた。本当に必要か」

といった具合に、普通であればなんとなく見過ごされる日々の業務のムダをAIが徹底的に指摘する。

マイクロソフトでは4ヵ月間の実験で、参加した41人の労働時間をのべ3579時間も削減したという。そのぶん残業代が大幅に減るのだから、経営者からしたら今すぐにでも導入したいところだろう。

AIが人間にそっくり代わって、たとえば会社で書類を作り、経理処理をし、人事評価を下すようになるのはいつ頃なのか。少なくとも、人工知能がすでに人間のある程度の仕事を代替できるようになってきていることは間違いない。

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